近年、X(旧Twitter)やSNSでの個人による作品販売が活発化し、銀行振込での決済を導入するクリエイターも増えてきました。一方で、振込時に必要な口座情報を他人に伝えることに不安を感じる方も多いようです。この記事では、銀行振込に必要な情報が悪用されるリスクや安全な運用方法について解説します。
銀行振込に必要な情報と一般的な用途
銀行振込を受け付ける場合、購入者に伝える必要がある情報は以下の通りです。
- 銀行名
- 支店名
- 口座種別(普通・当座など)
- 口座番号
- 口座名義(カタカナ表記)
これらの情報は、振込人が送金をするために必要なものであり、企業やフリーランスでも日常的に共有されています。
口座情報だけでの悪用リスクはどれほどある?
基本的に、口座情報だけで預金を引き出されたり、不正利用されることはありません。ただし、詐欺やフィッシング、なりすましなどの犯罪に間接的に利用される可能性はゼロではないため、注意は必要です。
例えば「詐欺グループの振込先口座」として登録されると、口座凍結や事情聴取といった面倒に巻き込まれるケースがあります。実際に、メルカリやSNS経由で不審な取引がトラブルに発展した例も報告されています。
リスクを避けるための3つの安全対策
個人で安心して銀行振込に対応するためには、以下のような対策を講じることが有効です。
- 販売相手を選ぶ:信頼できる相手との取引に限定し、怪しい依頼は丁重に断る。
- 専用の振込用口座を使う:普段使いの口座とは分け、取引専用口座を用意して資金管理を明確にする。
- 可能であれば他の決済手段も併用:PayPay、PayPal、Squareなどのサービスを使うことで、銀行情報を渡さずに済む選択肢を提供できる。
振込専用のネット銀行口座の活用例
多くのクリエイターが導入しているのが、楽天銀行やPayPay銀行などのネット銀行の専用口座です。これらは口座開設が簡単で、名義も仮名で登録できる場合があり、個人情報保護にも一定の効果があります。
また、入出金の履歴が明確で管理しやすく、振込手数料も安いため、販売活動との相性も抜群です。
実際のトラブル事例と教訓
あるクリエイターは、SNSで口座情報を広く公開した結果、なりすまし被害に遭い、税務調査を受けることになったと報告しています。取引先にだけ限定して個別に情報を伝えるといった対応が必要です。
また、フリマアプリで見知らぬ相手と銀行振込を行った際、口座が「マネーロンダリングに関与した可能性あり」として凍結された事例もあり、本人確認の取れる決済方法を推奨する声が増えています。
まとめ:口座情報の共有は慎重に、安心できる体制を
銀行振込で口座情報を渡すこと自体は違法でも危険でもありませんが、取引相手の選別と情報の渡し方には十分な注意が必要です。
不特定多数に対して公開せず、取引専用口座を設けることで、リスクを最小限に抑えた安心な販売活動が可能になります。安全と信頼を大切にした活動の積み重ねが、長期的なファン獲得にもつながります。
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