退職後の保険選び|夫の扶養と国保、高額療養費制度の損得と世帯主の影響まで徹底解説

社会保険

退職後の医療保険選びは、将来の医療費や生活設計に大きく影響します。特に高額な医療費が想定される場合、高額療養費制度を踏まえた選択が求められます。本記事では、退職後に「夫の扶養に入るか」「国民健康保険(国保)に入るか」で悩む方に向けて、それぞれの制度の特徴や選択時の注意点を詳しく解説します。

国民健康保険と扶養内社会保険の違いとは

社会保険の扶養に入れば、保険料負担はゼロです。一方、国民健康保険は保険料がかかるものの、高額療養費の自己負担限度額が扶養よりも低いという特徴があります。

たとえば、夫の標準報酬月額が高い場合、扶養者の自己負担限度額も高くなるため、不妊治療などで高額な医療費がかかる見込みがある場合は、あえて自分で国保に加入するという選択肢も合理的です。

国保のデメリットとメリット:再確認ポイント

相談者の考察通り、国保の最大のデメリットは保険料が発生する点ですが、収入がない場合は極めて低額に抑えられることが多く、自治体によっては免除制度もあります。

一方で、最大のメリットは自己負担限度額が低いこと。治療費が高額になればなるほど、このメリットが際立ちます。例えば、夫の社会保険で自己負担が8万円だとしても、国保加入者なら4万円程度で済む場合もあります。

世帯主を妻にすることで保険料が安くなる?

一部自治体では、世帯主の年収・構成で国保の算出方式が変わるため、世帯主を妻に変更することで保険料が抑えられるケースもあります。これは「擬制世帯主」の制度が影響しています。

ただし、世帯主を妻に変更することによるデメリットがないとは限りません。住民票や行政手続き、銀行口座管理、郵便物などが変更されることがあるため、注意が必要です。

世帯主と住宅ローン控除の関係

住宅ローン控除の適用条件に「世帯主であること」は含まれていません。したがって、夫が住宅ローンの契約者かつ納税者であれば、控除対象として問題ありません

世帯主は税控除や控除枠に直接影響しないため、「控除を受けたい人が世帯主である必要はない」との理解で正しいと言えるでしょう。

実例:不妊治療を控えた無職の妻が国保を選択

30代夫婦のBさん夫妻。妻が退職後、不妊治療に集中するため無職となりました。市役所に相談した結果、年収ゼロの妻が国保に加入した場合、月々の保険料は数千円。一方、夫の扶養に入ると高額療養費の上限が約8万円。

そこで、治療費の負担軽減を優先し、妻を国保に加入させ、世帯主も妻に変更。月の保険料負担は3,000円ほどになり、年間で大幅に医療費を抑えられた事例です。

まとめ:医療費の見通しと制度の柔軟性を活かす選択を

退職後の保険選びでは、医療費の見通し・扶養制度の影響・世帯主の設定が重要なポイントとなります。

特に高額療養制度の自己負担額が保険制度により異なる点は見落とされがちです。治療予定がある場合は、国保+妻を世帯主という選択が最適解になることもあるため、制度をよく理解して判断することが求められます。

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