休職中に会社を退職することを検討している方にとって、傷病手当金の受給が続けられるのか、退職後にどのような手続きを行えばよいのかは不安なポイントです。ここでは適応障害などで休職しながら退職を考えている場合に押さえるべき傷病手当金の手続きと注意点を解説します。
傷病手当金は退職後も継続して受給できる
傷病手当金は、健康保険に加入している被保険者が病気やケガで働けない場合に支給される給付です。退職日までに支給要件を満たしていれば、退職後も継続して支給されることがあります(最大1年6か月)。
例えば「退職日の前日までに連続して3日以上の待機期間があり、その後も労務不能が続いていた」などの条件を満たしていれば、退職後も受給できます。
退職後も申請書類は会社を経由するのが基本
傷病手当金の申請には、医師の意見欄の記入に加えて、事業主の証明欄が必要です。退職後でも申請書は在職時の会社に提出して、証明欄を記入してもらう必要があります。
退職後すぐに申請書を郵送し、「証明欄の記入と健康保険組合への提出をお願いします」と丁寧に依頼するのが望ましい対応です。
診断書や申請のタイミングに注意
医師に記入してもらう診断書(傷病手当金支給申請書の医師記入欄)は、該当する休職期間ごとに分けて申請します。6月9日〜7月8日分と、7月9日〜8月8日分に分かれるため、退職後の2回目の申請書も忘れずに準備しましょう。
診察日と申請の時期に差があると、「申請漏れ」や「記入不可」といったトラブルにもつながるため、退職前から医師や会社に相談しておくとスムーズです。
傷病手当金が受給できる条件を確認しよう
以下のような条件を満たしていれば、退職後でも傷病手当金の継続受給が可能です。
- 退職前から労務不能の状態である
- 退職時に健康保険の被保険者である
- 退職日までに継続した3日間の待機期間が完了している
なお、任意継続被保険者には傷病手当金の支給はありませんので、受給中に任意継続に切り替えないよう注意しましょう。
会社との連絡は丁寧に行うのがポイント
退職後に手続きのお願いをする際には、会社側の負担を軽くするよう配慮しながら、「お忙しいところ恐縮ですが、ご対応いただけますと幸いです」といった丁寧な文面が有効です。
また、返信用封筒を同封したり、記入箇所を明示するなどの工夫も、手続きの遅れを防ぐポイントになります。
まとめ:退職後も傷病手当金は受け取れるが手続きは慎重に
適応障害などの理由で休職中に退職を決めた場合でも、条件を満たしていれば傷病手当金の継続受給は可能です。ただし、申請には会社の協力が必要不可欠であり、診断書のタイミングや郵送対応など事前の準備が重要になります。
不明点があれば、健康保険組合や社会保険労務士に早めに相談することも検討してみてください。
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