転職に伴う退職と入社の間に空白期間がある場合、「健康保険や年金の手続きはどうすればいいのか?」と疑問に思う方は多いです。特に退職が月初で入社が月末となる場合、保険料の支払い義務がどうなるのか混乱しがちです。この記事では、6月上旬に退職し6月下旬に再就職するケースを例に、社会保険・国民健康保険・年金制度の流れを詳しく解説します。
健康保険の加入義務と空白期間の取り扱い
会社を退職すると、その日の翌日から会社の健康保険の資格が喪失します。新しい会社の健康保険に加入するのは入社日からです。よって、6月5日に退職し、6月25日に入社する場合、その間の6月6日〜24日は無保険状態になります。
この空白期間中に必要となるのが、「国民健康保険への加入手続き」または「前職の健康保険の任意継続」です。
- 国民健康保険:お住まいの市区町村で加入手続きを行います。
- 任意継続被保険者:前職の健康保険を最長2年間、自身で保険料を支払い継続できます(退職から20日以内の申請が必要)。
厚生年金の取り扱いと保険料の発生タイミング
厚生年金も健康保険と同じく、退職日の翌日に資格喪失します。そして再就職した会社の加入日は原則「入社日」です。
この間(6月6日〜24日)は国民年金に加入する必要があります。20歳以上60歳未満の方であれば、第1号被保険者として市区町村で手続きを行い、保険料を納付する形です。
6月中に退職と入社の両方がある場合、退職した会社と入社した会社の両方で保険料が発生します。
6月分の保険料はどこで支払う?会社と個人の対応
健康保険・厚生年金の保険料は「月単位」で発生します。つまり、6月に1日でも在籍していれば、その月分の保険料を支払う必要があります。
したがって、6月5日に退職した場合は、退職前の会社で6月分の保険料を負担する必要があります。入社先の会社では、6月25日から在籍しているため、その会社でも6月分の保険料が発生します(いわゆる“ダブル払い”)。
ただし、退職前の会社で「健康保険資格喪失届」を6月分で提出し、入社先の会社が「資格取得日」を6月25日として申請すれば、どちらか一方での保険料負担となる場合もあります。
保険料の調整や節約のポイント
このような保険料の二重払いを防ぐためには、以下のような工夫が可能です。
- 退職日を月末に近づける:月末退職だとその月の保険料は退職前の会社で完結します。
- 転職先の入社日を翌月にする:同月に退職・入社をすると保険料がダブル発生するため、タイミングをずらすことで回避できます。
- 任意継続を利用:前職の健康保険を継続することで、保険料や給付条件の優位性を保てることがあります。
空白期間に病院へ行ったらどうなる?
万が一、空白期間中(6月6日〜24日)に病気やケガをして医療機関を受診した場合、国保や任意継続の手続きを事前にしていないと全額自己負担となります。
保険証が手元に届いていない場合でも、加入証明などで事後精算が可能になることもあります。事前に手続きしておくことが安心につながります。
まとめ:転職時の保険・年金の空白対策は早めに準備を
退職と入社の間に空白期間がある場合、国民健康保険・国民年金への加入手続きが必要です。また、保険料は「月単位」で計算されるため、同月内に退職・入社をした場合、双方の保険料が発生する可能性があります。
ダブル支払いを避けるには、退職・入社のタイミングを月初または月末に調整したり、任意継続制度を検討することがポイントです。事前に理解と準備をして、スムーズな転職と安心の社会保障制度利用を目指しましょう。
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