退職後、保険証を返却したものの資格喪失証明書も届かず、まだ国民健康保険への切り替えも済んでいない。このような状態で医療機関にかかる必要があるとき、「マイナ保険証が使えるのか」と不安になる方も多いのではないでしょうか。本記事では、マイナ保険証と健康保険資格の関係、通院時の注意点、必要な手続きについて詳しく解説します。
マイナ保険証と健康保険資格の関係
マイナ保険証(マイナンバーカードと保険証の紐づけ)は、オンライン資格確認によって患者の保険資格を確認する仕組みです。ただし、「資格情報」が存在していなければマイナ保険証は機能しません。
つまり、前職を退職して健康保険資格が喪失され、かつ新しい保険(国民健康保険や任意継続)に切り替えていない場合、マイナ保険証を提示しても「無資格」と判定されます。
退職後の保険切り替えに必要な手続き
会社を退職した場合、通常は次のいずれかの保険制度に加入し直す必要があります。
- 国民健康保険(国保):市区町村の役所で手続き
- 任意継続健康保険:退職前の健康保険を最長2年継続(退職後20日以内に申請)
- 家族の扶養に入る:家族の勤務先で扶養手続き
これらのいずれかに切り替えることで、再び保険資格が発生し、マイナ保険証も有効になります。
手続き前に通院したい場合の対応
「病院に行きたいけれど、まだ保険証がない」──そんなときは以下の方法を取りましょう。
- 医療費を一時的に全額自己負担:あとで保険証を取得したら還付請求が可能
- 病院に事情を伝える:一部の医療機関では猶予措置や立て替え対応をしてくれる場合あり
例えば、退職直後に高熱で病院に行ったある方は、受付で「保険証はこれから手続き予定」と伝えたところ、全額自己負担となりましたが、後日国保加入後に領収書を持参して還付手続きを行い、差額が返金されました。
マイナ保険証が使えるようになるタイミング
国保に加入し、役所での処理が完了すれば、数日~1週間ほどでマイナ保険証の情報も更新されます。ただし、病院側がオンライン資格確認に対応していない場合、マイナンバーカードは使えないため、紙の保険証が必要です。
また、手続きの反映が遅れている間に受診した場合、保険証が未反映の可能性があるため注意が必要です。
困ったときの相談先
以下の窓口に相談することで、迅速な対応や制度の案内を受けることができます。
まとめ:マイナ保険証は「保険資格」があって初めて使える
退職後、保険証を返却した状態ではマイナ保険証は使えません。まずは国民健康保険や任意継続など新しい保険に切り替えることが最優先です。手続き前に病院にかかる場合は、自己負担の上で後日払い戻しを受ける方法があるので、安心して医療を受けましょう。早めの手続きを心がけることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
コメント