2028年度から施行予定の遺族厚生年金制度の改正により、特定の条件を満たす女性に対する給付内容が変更されます。本記事では、改正の概要とその影響について詳しく解説します。
改正の背景と目的
厚生労働省は、共働き世帯の増加や女性の就業率の上昇を背景に、遺族厚生年金制度の見直しを進めています。これにより、男女間の制度上の差を解消し、現代の家族構成や就労状況に対応することを目的としています。
2028年度の改正内容
2028年4月から、子どもがいない配偶者が遺族となった場合の遺族厚生年金の給付が、5年間の有期給付に変更されます。これまでは30歳未満の女性が対象でしたが、改正により40歳未満の女性も対象となります。つまり、2028年度末(2029年3月31日)までに40歳の誕生日を迎える女性は、現行制度の終身給付の対象となります。
今後の段階的な変更
この改正は一度きりの変更ではなく、今後20年程度かけて段階的に対象年齢が引き上げられる予定です。具体的には、5年ごとに対象年齢を5歳ずつ引き上げ、最終的には60歳未満のすべての女性が有期給付の対象となる見込みです。
男性への影響
これまで、子どもがいない夫は55歳未満では遺族厚生年金の対象外でしたが、改正により、施行日以降は年齢に関係なく5年間の有期給付を受けられるようになります。これにより、男女間の制度上の差が解消されます。
実例:2028年度に40歳を迎える女性
例えば、1988年4月2日生まれの女性は、2028年度中に40歳の誕生日を迎えます。この場合、改正後も現行制度の終身給付の対象となります。一方、1988年4月1日生まれの女性は、2028年度末時点で40歳を超えているため、新制度の有期給付の対象となります。
まとめ
遺族厚生年金制度の改正は、2028年度から段階的に実施され、対象となる女性の年齢範囲が広がっていきます。自身や家族の将来の生活設計に影響を与える可能性があるため、制度の変更点を正しく理解し、必要に応じて専門家に相談することが重要です。
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