事故を起こした直後に車を買い替える場合、自動車保険の等級や保険料が大きく変わるため、支払い方法をどう選ぶかは重要な判断となります。特に等級ダウンにより保険料が上がるケースでは、保険の切り替えタイミングや支払い方法によって大きな差が生じることがあります。本記事では、保険の乗り換えに際してどちらの支払い方法が得かをシミュレーションしつつ解説します。
前提条件と提示された2つの選択肢
以下の条件をもとに、支払い総額の比較を行います。
- 旧車の保険料:月額9,000円
- 新車の保険料:月額13,000円
- 保険会社:東京海上日動
- 事故による等級ダウン:20等級 → 17等級
ディーラーから提案された選択肢は以下の2つです。
- 差額支払いプラン:旧保険を継続し、新車の納車後は差額の4,000円のみ月々支払う(4月まで)。一括前納額:72,000円
- 切り替えプラン:納車時に旧保険を解約し、9月から新車の13,000円保険料を支払っていく
各プランのシミュレーション:支払総額を比較
まずは差額支払いプランの総額を計算します。
- 保険料:72,000円(9,000円×8ヶ月分)
- 追加負担:0円(差額分は後払い)
- 合計:72,000円
次に、切り替えプランの総額を見てみましょう。
- 保険料:13,000円×8ヶ月=104,000円
- 合計:104,000円
差額支払いプランの方が月あたり4,000円安く、8ヶ月で32,000円の差が生まれます。
差額支払いプランの注意点とメリット
この方法の最大のメリットは、保険等級が17等級でも旧契約ベースで保険料が据え置かれ、支払いを抑えられる点です。さらに、追加の解約手数料や契約手数料も発生しません。
ただし、旧車両を使わない期間が生じる場合や、新しい車の補償が不十分になる可能性もあるため、必ず補償内容の確認が必要です。
切り替えプランのメリットとリスク
新契約で保険を始めると、新車に対する補償内容が万全な形で反映されます。特に盗難補償や新価特約などの特典を受けられる場合もあります。
ただし、等級が下がった直後に新規で保険を契約すると、保険料が一気に上がるため、割高になります。今回の例でも8ヶ月間で32,000円の差が出ています。
事故直後の保険見直しは特に慎重に
等級ダウン直後の保険切り替えは最も費用がかさむタイミングです。そのため、次の更新までの期間はできるだけ現在の契約を維持し、次回更新時に他社比較を行って見直す方が賢明です。
さらに、等級が回復するまでの3年間は事故歴が保険料に影響するため、保険の相談窓口などで定期的にプランの見直しをするのが有効です。
まとめ:今回は差額支払いプランが明らかに有利
今回のケースでは、既存の契約を維持し、差額分のみを支払うプランの方が圧倒的に有利です。事故直後で等級が下がったタイミングで新たに高額な保険料を支払うより、契約更新のタイミングまで保険料を抑えつつ補償を確保する戦略が現実的でしょう。
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