家族内でのETCカードの名義貸しや引き落とし口座の使い回しは、意外とよくある問題です。しかし、名義人の意思に反してカードを作らせようとしたり、実際に使用する人と支払う人が異なる場合、さまざまなトラブルの原因になります。本記事では、家庭内におけるETCカード名義・支払いのトラブル事例を通じて、法律的・心理的な観点から注意点を解説します。
ETCカードの仕組みと基本ルール
ETCカードはクレジットカードに紐付けて発行され、使用料金はそのカードの引き落とし口座から支払われます。したがって、名義人=支払い責任者となるのが一般的です。
クレジットカード会社の規約では、ETCカードの使用は原則としてカード名義人またはその家族に限られ、第三者に貸す行為は違反行為とみなされることがあります。
他人に名義を貸すリスクとは?
名義人の同意なしにカードを作らせたり、実質的に使わない人の口座から引き落とされるように設定するのは、信頼関係にヒビを入れる行為です。
たとえば、夫が高速道路を利用するために、妻の名義でETCカードを作らせ、妻の口座から支払わせるような場合、経済的支配やモラルハラスメントと指摘されるケースもあります。
家族間でも「金銭的な強要」は避けるべき
家庭内であっても、名義人が「作りたくない」と言っているにもかかわらずカード発行を迫るのは、倫理的に問題があります。
実例として、ある主婦が夫からETCカードを作るよう強要され、作成後に不正な利用が判明しても「お前の名義だから責任はお前だ」と責任を押しつけられたケースが報告されています。
円満な運用のためには「家族カード」や「引き落とし分担」の活用を
ETCカードを家族で共有する場合には、発行元カード会社で「家族カード」を申し込むのが適切です。家族カードなら名義や口座の整合性が取れており、責任の所在が明確です。
どうしても片方の名義で作る場合は、引き落とし後の精算ルール(現金で渡す・家計簿で管理する等)を事前に話し合っておくことが肝心です。
法律的観点:名義貸しは原則NG
クレジットカードやETCカードの名義貸しは、民法上の委任契約や不法行為責任が関係してくる可能性があります。故意や悪意があった場合、損害賠償の対象となる可能性もあります。
もしトラブルに発展した場合、消費生活センターや弁護士への相談も視野に入れてください。
まとめ:名義と支払いの一致が家族内でも信頼を守る
ETCカードを家族内で共有する際には、使用者と支払者が一致していることが信頼関係を維持する鍵です。特に、名義人が不本意な形でカードを作るよう迫られている場合は、関係性の見直しも必要かもしれません。
お金の使い方は家庭の価値観が表れるところ。無理のない形で話し合い、お互いが納得した上でカードの発行・利用をするようにしましょう。
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