配偶者の扶養に入っている場合、「103万円の壁」が意識されることが多く、年収を調整している方も少なくありません。しかし、年間収入が103万円以内でも、月収が高くなると社会保険料が発生する可能性があるのをご存知でしょうか?この記事では、扶養と社会保険の関係を詳しく解説します。
103万円の壁とは何か
「103万円の壁」とは、配偶者の所得税控除に関する基準です。給与収入が年間103万円以下であれば、配偶者控除の対象となり、扶養される側の所得税は非課税になります。これはあくまで税金上の扶養です。
一方で、健康保険や厚生年金などの社会保険における扶養基準は異なり、別の条件が存在します。
社会保険の扶養における注意点
社会保険の扶養(被扶養者)になるためには、年収が130万円未満であることが基本的な条件です。しかし、130万円未満でも「連続して月額10万8千円以上の給与を受け取った場合」は、社会保険料が発生する可能性があります。
たとえば、毎月9万円近くの給与を数か月間受け取ると、健康保険組合などから「将来的に年収130万円を超える見込みがある」と判断され、扶養から外される可能性があります。
具体例:月収による社会保険判定
たとえば次のようなケースが考えられます。
- 1〜6月までの月収が6万円程度
- 7〜10月は月収が9万円台
- 11〜12月はほぼ無収入
この場合、年間では103万円以内に収まりますが、連続した月の収入が高いと、健康保険組合によっては「扶養に不適」と判断されるケースもあるため注意が必要です。
扶養内で働く際の収入コントロールのポイント
扶養を維持するには、年間収入だけでなく月ごとの収入推移にも気を配ることが大切です。以下の点を意識しましょう。
- 月収が108,333円を超えないように調整する
- 一時的な高収入月がある場合、理由を記録しておく(ボーナス・臨時手当など)
- 扶養者の保険組合に相談し、見解を確認しておく
雇用形態(パート、アルバイト、短期契約など)や就労先によっても判断基準が変わるため、事前の確認は必須です。
万が一、社会保険料が引かれてしまったら
会社が誤って社会保険に加入させてしまうケースもあります。もし社会保険料が引かれてしまった場合は、勤務先の人事・労務担当者に相談しましょう。
適用除外に該当する場合や、扶養であることを正確に申告すれば、修正や還付手続きが可能な場合もあります。
まとめ:扶養と社会保険の境界を理解し賢く働こう
年間103万円以内の収入であっても、月ごとの収入が高くなると社会保険料が発生する可能性があることは、働き方を考えるうえで重要なポイントです。
以下の点を押さえれば安心です。
- 税制上と社会保険上の扶養基準は異なる
- 連続した高収入月に注意する
- 心配な場合は勤務先や保険組合に確認を取る
扶養を守りつつ、無理のない範囲で働き方を調整していきましょう。
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