老後の生活を安定させるために、年金額をどの程度確保できるかは重要な関心事です。特に「年金で月20万円もらえるには、いくら納付すればいいのか?」という疑問は多くの方が抱いています。本記事では、厚生年金の仕組みや計算方法に基づき、現実的なラインを具体的に解説します。
厚生年金の仕組みと基本の考え方
厚生年金は、国民年金(基礎年金)と厚生年金(報酬比例部分)から構成されており、会社員や公務員などが対象です。
支給額は「平均標準報酬月額」「加入期間」「保険料納付実績」によって決まります。一般的に、加入期間が長く、収入が高いほど年金額は増えます。
月20万円をもらうにはいくら納める必要がある?
目安として、厚生年金だけで月20万円をもらうには、以下のような条件が必要になります。
- 40年間勤務(480か月)
- 平均年収約600万円(標準報酬月額50万円)
この条件で試算すると、老齢厚生年金が約13〜15万円、基礎年金と合わせて20万円程度になる計算です。
実際の保険料は会社と折半なので、個人が納める保険料の累計額は約1,200万円〜1,400万円前後と想定されます(会社分含めると2,400万円〜2,800万円)。
実例:年金受給額のリアル
例1:男性(65歳、元大手企業勤務)
年収700万円で40年勤務、年金月額21万円(基礎年金含む)
例2:女性(65歳、年収300万円で35年勤務)
年金月額約13万円。うち厚生年金は6万円、基礎年金が7万円。
厚生年金を増やすための現実的な戦略
- できるだけ長く加入する:60歳以降も働いて納付を続けると、年金額は着実に増加。
- 収入を上げる:標準報酬月額が高くなると、その分将来の年金額に反映。
- 確定拠出年金(iDeCo)などで補完:老後の資金をトータルで考える視点が重要。
厚生年金だけで月20万円を狙うのは難しい人も多いため、他の年金制度や投資などとの併用が現実的です。
「月20万円」にこだわりすぎない柔軟な考え方
老後の生活費は住居費、健康状態、扶養家族の有無などによって大きく変動します。
そのため、必ずしも「月20万円=必要額」とは限りません。
たとえば、夫婦で月25万円〜30万円程度が全国平均のゆとりある老後生活水準とされており、一人暮らしであれば月15万円前後でも工夫次第で安心して暮らせることもあります。
まとめ:年金20万円は「納付額」よりも「働き方・戦略」がカギ
厚生年金で月20万円の年金を得るには、40年にわたる高水準の収入と納付が必要です。ただし、それが難しい場合でも「できる限り長く働く」「副収入や自助努力を加える」など、現実的な対策は複数あります。
自分にとっての老後の安心とは何かを見つめ、制度の仕組みを知ったうえで、賢く備えていくことが重要です。
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