住宅ローンを組む際に避けて通れないのが「団体信用生命保険(団信)」の加入です。しかし、持病がある場合には団信の加入審査が通るかどうかが大きなハードルとなります。特にIgA腎症のような慢性腎疾患を抱えている方にとっては、情報が少なく不安を感じることも多いのではないでしょうか。この記事では、IgA腎症と団信加入の関係、審査に影響する要素、代替手段などを詳しく解説します。
団信とは?住宅ローンとの関係
団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローン契約者が死亡または高度障害になった際に、保険金でローン残債が返済される制度です。多くの金融機関では団信加入が住宅ローン契約の前提条件となっており、健康状態によって加入の可否が判断されます。
持病や継続通院がある場合、団信の審査は厳しくなる傾向があります。そのため、病歴のある方は事前に加入条件や保険会社の対応方針を確認しておくことが重要です。
IgA腎症と団信の加入審査
IgA腎症は慢性の腎臓病であり、定期的な通院・投薬治療が続くことが多く、団信審査ではリスクが高いと判断されやすい傾向があります。特に病状が進行している場合(ステージが中等度~重度)や、透析が検討されている段階だと、一般団信への加入は厳しくなる可能性が高いです。
例として、1〜3ヶ月ごとの通院、複数の薬を服用しているケースでは、保険会社から詳細な診断書や健康診断結果の提出を求められ、加入を断られることも少なくありません。
引受基準緩和型団信とは?
持病がある方でも加入できる可能性があるのが「引受基準緩和型団信(ワイド団信)」です。これは、通常の団信よりも審査基準が緩やかで、既往歴のある方でも加入できるように設計されています。
ただし、ワイド団信にはいくつか注意点もあります。たとえば、通常の団信に比べて保険料が割高になり、金利が0.2〜0.3%程度上乗せされるケースが多いです。また、すべての金融機関が対応しているわけではないため、事前の確認が必要です。
審査に通る可能性を高めるポイント
団信の審査を通過するためには、以下のような点が重要になります。
- 主治医に「病状が安定している」旨の診断書を書いてもらう
- 直近の腎機能数値(eGFR、クレアチニンなど)を把握しておく
- 過去数年の通院履歴や治療内容を整理して説明できるようにする
- 病状の変化や進行がないことを強調する
たとえば、「1年間以上、病状が安定していて投薬管理も良好」といった説明ができれば、保険会社によってはポジティブに受け止められる可能性もあります。
団信に加入できなかった場合の代替策
もし団信に加入できなかった場合でも、住宅ローンをあきらめる必要はありません。次のような選択肢があります。
- 団信加入が任意のローンを選ぶ:一部のネット銀行では、団信が必須ではない住宅ローン商品を取り扱っています。
- 生命保険などで代替保障を準備する:団信の代わりに、自分で終身保険や定期保険を契約することで、遺族の生活保障を補うことも可能です。
- 共有名義・連帯債務にする:配偶者など健康状態に問題のない方と共有名義で契約し、片方が団信加入する方法もあります。
また、ファイナンシャルプランナーや住宅ローン専門家に相談することで、自分の病状に合ったローンプランを提案してもらえる可能性もあります。
まとめ:IgA腎症でも選択肢はある、あきらめずに情報収集を
IgA腎症を抱えていても、団信に加入できる可能性はゼロではありません。審査に落ちた場合でも、ワイド団信や代替保障の活用など、多様な選択肢があります。重要なのは、病状を正確に伝えることと、各金融機関や保険会社の基準を事前にしっかり調べることです。
住宅購入という大きなライフイベントに向けて、希望を持ちつつ現実的な選択肢を検討していきましょう。
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