市民税・県民税・森林環境税が高く感じる理由とは？所得とのバランスと納得できる仕組みを解説

年収が比較的少ないのに、市民税や県民税、森林環境税の請求額が高いと感じる人は少なくありません。特に所得が100万円台前半の方にとっては、数万円単位の税負担は無視できないもの。本記事では、課税の仕組みや控除との関係、そして実際に「なぜこの金額になるのか」をわかりやすく解説します。

住民税の基本構造：均等割と所得割の2本立て

住民税は「均等割」と「所得割」で構成されます。
均等割は所得に関係なく一律に課される税金で、2025年度時点では多くの自治体で5,000円前後（内訳：市町村民税3,500円＋都道府県民税1,500円）です。これに加えて森林環境税（年1,000円）が上乗せされています。

一方、所得割は課税所得（＝総所得－所得控除）に対して10％程度（市区町村6%、都道府県4%）で課される仕組みです。

このケースでは、課税所得は約63万円（126万円－63万円）と想定されます。住民税の所得割は課税所得×10%なので、63万円×10%＝63,000円となり、さらに均等割6,000円前後（＋森林環境税1,000円）を加えると、約6万5,000円前後になるのは理論的には妥当です。

ただし、自治体によって非課税基準が異なるため、実際の課税額は自治体の判断によります。

住民税には「非課税世帯」として課税が免除される仕組みがあります。一般的に以下の条件に該当する場合は住民税が非課税になります。

自分が非課税対象になっていないか確認し、可能であれば市区町村に相談するのも一つの手です。

もし支払いが困難な場合は、無理をせずに市役所などの税務課に相談しましょう。多くの自治体では以下のような制度があります。

また、生活保護を受けている、もしくはそれに準ずる状態であれば、税の減免や免除措置が認められることもあります。

ある単身世帯の方（年収120万円台）は、市民税・県民税・森林環境税合わせて6.5万円という請求に驚き、市に問い合わせたところ「控除の範囲内で課税所得が発生しており、制度上避けられない金額」と説明されたそうです。最終的に、分割納付に切り替えたことで精神的にも負担が軽減されたといいます。

別の方は、年末調整や確定申告で控除を最大限に活用し、翌年度は約3万円の住民税減額に成功しました。

住民税の仕組みは複雑で、知らずに支払っていると「なぜこんなに高いのか」と不満に感じやすいものです。しかし、課税のルールを知り、控除の活用や申告方法を見直すことで、税負担を軽くすることも可能です。

不明点は市区町村の税務担当窓口に相談し、自分の状況に合った対応をとることで、納得感のある納税ができるようになります。