中小企業のオーナーや個人事業主の退職金代わりとして活用される 小規模企業共済。その中で「共済金A」という請求事由で受け取る場合、加入期間は比較的短くても掛金が元本割れする可能性が低いのかどうか、具体的に整理していきます。
共済金A・解約手当金・任意解約の違い
小規模企業共済には多様な給付パターンがありますが、大きく分けると「請求事由が明確な廃業・退職等」の場合に受け取る“共済金A・B”と、「自己都合による任意解約」の場合に受け取る“解約手当金”があります。([参照](https://kyosai-web.smrj.go.jp/customer/skyosai/claim/index_02.html))
この区分が重要です。なぜなら、給付額や返戻率が請求事由によって大きく異なるためです。任意解約(=契約者が自己の意思で解約)では、加入期間が短いと元本割れの可能性が高くなります。([参照](https://hoken-room.jp/corporate-insurance/11449))
加入期間5年9ヶ月(約69ヶ月)の場合、どちらの給付になるのか
質問のように「5年9ヶ月=約69ヵ月」という期間で、しかも「事業廃止(共済金A)」の予定であるという文脈なら、請求事由として「廃業」に該当するため、任意解約ではなく共済金Aの給付対象と考えられます。
実際に制度上、共済金Aに該当する例として「個人事業を廃止」などが挙げられており、請求事由が所定要件を満たせば、加入期間が20年間未満でも元本割れしないという解説があります。([参照](https://sgho.jp/blog/chisiki/583))
実例データから返戻率をチェック
制度公式サイトによると、例えば掛金月額1万円で5年=60ヶ月納付した場合、掛金合計600,000円に対して共済金Aは621,400円という実例が示されています。([参照](https://kyosai-web.smrj.go.jp/customer/skyosai/claim/index_02.html))
このケースでは5年で既に掛金合計を超えており、元本割れどころか少し戻る状況です。つまり「加入期間が短くても、請求事由が廃業に該当すれば元本割れしない可能性が高い」ということが制度データから読み取れます。
注意すべきポイントとリスク
ただし、次のような注意点があります。
- 請求事由が正しく「廃業・退職」などに該当していること
- 掛金の増額・減額があると計算上支給率に影響
- 税金・受取り方式の違い
事業廃止で共済金Aを請求する場合の具体フロー
以下は実際に「5年9ヶ月納付・事業廃止」で共済金A請求した想定の流れです。
①事前に掛金を月額設定し、5年9ヶ月(69ヶ月)納付する。
②事業を廃止(例えば法人解散または個人事業休止)として、請求事由を確認。
③所定の申請書類を機構に提出。
④支給額が「掛金合計額+付加共済金相当額」として算定される。結果として、掛金総額を上回る受取りとなる可能性が高い。
このように、加入期間が短くても「共済金A」の請求事由ならば、元本割れの心配が少ない制度設計になっています。
まとめ
5年9ヶ月の加入期間で「事業廃止(共済金A)」という請求事由であれば、制度データから見ても掛金合計を上回る受取りが実現する可能性が高く、元本割れの心配はほとんどありません。
ただし、請求事由が任意解約扱いとなったり、掛金変更の影響があったりすると返戻率が大きく違ってきます。加入前・請求前には制度の請求要件・納付状況・税務扱いを改めて確認し、必要であれば税理士や中小企業基盤整備機構へ相談するのが安心です。


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