子どもも受け取れる？遺族年金の仕組みと支給対象をわかりやすく解説

遺族年金は、遺された家族の生活を支えるための大切な制度です。配偶者や子どもがいる場合には、条件を満たせば子どもにも支給されることがあります。この記事では、遺族年金の基本と、子どもが対象になる条件についてわかりやすく解説します。

遺族年金の種類と概要

日本の遺族年金には主に以下の2種類があります。

いずれの年金も、支給対象者や条件が細かく定められています。

遺族基礎年金は、18歳到達年度の末日（高校3年生の3月31日）までの子ども、または障害等級1級・2級に該当する20歳未満の子どもがいる場合に、その子を養育する配偶者に支給されるものです。

ただし、配偶者がいない場合は、子ども自身が直接受給することも可能です。このように、子どもは遺族基礎年金の直接の受給者にもなれることがあります。

遺族厚生年金は、主に配偶者や子どもに支給されます。子どもが対象になるのは、以下のようなケースです。

また、配偶者・子ども・父母など支給順位もあり、子どもが複数いる場合は均等分割されます。

たとえば、父親が厚生年金に加入中に亡くなり、母親がいない状態で小学生の子ども2人が残された場合、その子どもたちはそれぞれ遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権を持ちます。

この場合は、代表者である長子の名義で申請し、年金は代表者の口座に振り込まれ、保護者が管理する形となるのが一般的です。

遺族年金を受給するには、市区町村役場や年金事務所での申請が必要です。主に必要となる書類は以下の通りです。

遺族年金の申請は期限があるため、早めに手続きすることが大切です。

遺族年金は、税制上の扶養控除とは別制度です。さらに、児童扶養手当と遺族年金の併給は基本的に不可であり、金額の多い方が支給される仕組みです。

たとえば、児童扶養手当の方が高い場合は、遺族年金の受給権を放棄する選択を取る家庭もあります。家計状況や手当の金額を見ながら、どちらが有利かを確認することが大切です。

子どもは、年齢や障害の有無など一定の条件を満たせば、遺族基礎年金・遺族厚生年金の受給者になることができます。ただし、配偶者の有無や家庭の状況によって申請方法が異なるため、迷った場合は年金事務所など専門機関に相談することをおすすめします。

遺族年金は、子どもの生活を支える制度として重要です。正しい知識を持ち、制度をうまく活用していきましょう。