病気やけがで働けない間の収入を補うための「傷病手当金」。しかし申請してから数か月経っても支給が行われないと、不安になる方も多いはずです。この記事では、傷病手当金の支給が遅れる原因や、確認・対処すべきポイントを丁寧に解説します。
傷病手当金とは?基本的な仕組みを再確認
傷病手当金は、健康保険に加入している被保険者が、業務外のけがや病気で働けなくなった際に支給される給付です。連続して3日間以上の休業があり、4日目以降も就労不能な状態が続くことが支給の条件です。
支給額は、原則として直近の標準報酬日額の約2/3が支給され、支給期間は最長で1年6か月となります。
3か月以上経っても支給されない主な理由
通常、書類に不備がなく、事務処理がスムーズに進んだ場合、申請から1~2か月程度で支給されることが多いです。それ以上時間がかかっている場合、以下のような原因が考えられます。
- 申請書類に記載漏れや不備がある
- 医師の証明が未提出、もしくは不完全
- 会社側の記載が遅れている、または未提出
- 保険者(協会けんぽや健康保険組合)での審査が混雑している
- 申請後に追加資料が必要となり、提出が遅れた
確認すべきポイントと対応手順
まず最初に、健康保険の保険者(協会けんぽまたは健康保険組合)へ連絡し、現在の審査状況を確認しましょう。あわせて、下記を確認するのがおすすめです。
- 申請書が保険者に到達しているか
- 不備や追加提出の要請が届いていないか
- 会社側の書類提出状況
保険者の担当部署の連絡先は、保険証の裏面や協会けんぽの公式サイトで確認できます。
実際のケース:支給まで4か月かかった例
ある30代女性は、うつ病により退職後に傷病手当金を申請。会社側の書類提出に時間がかかった上、医師の診断書に記載漏れがあり、申請から支給までに4か月を要しました。
途中で何度も保険者に連絡を取り、進捗状況を確認することでようやく支給に至ったとのことです。粘り強い確認が重要だといえます。
扶養家族の申請時の注意点
傷病手当金は、被保険者自身に支給される制度であり、扶養家族(被扶養者)には原則として支給されません。ただし、パートなどで独自に健康保険に加入しているケースはこの限りではないため、制度上の立場を確認する必要があります。
扶養であると認識していた場合でも、勤務形態や加入状況によっては被保険者であることがありますので、健康保険の資格確認書類をチェックしましょう。
まとめ:遅延時はすぐに保険者に確認を
傷病手当金の支給が3か月以上遅れている場合は、まず保険者に確認し、申請書類の到着状況や不備の有無をチェックしましょう。場合によっては、会社や医師にも協力を仰ぐ必要があります。
不安を感じた際には、社会保険労務士などの専門家に相談するのもひとつの方法です。迅速に対応を進めることで、安心して療養に専念できる環境を整えましょう。
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