自動車ローンを組んだあとに「思ったより手数料が高かった…」と感じる方は少なくありません。特にアドオン方式のローンは利息の計算方法が複雑で、契約後に後悔する人も。今回は、アドオン方式ローンの仕組みと、金利の低いローンへの借り換え(ローンの乗り換え)によって本当に損失を抑えられるのか、具体的に解説します。
アドオン方式とは?ローンの利息計算の落とし穴
アドオン方式とは、元金に対して固定の利息(分割手数料)を契約期間分加えた上で、月々の支払額を決めるローン方式です。元金が減っても利息が一定であるため、実質的な利率は表面金利よりも高くなりがちです。
たとえば、100万円のローンに対してアドオンで年10%・5年払いの場合、合計で50万円の手数料が発生し、実質金利換算では15%以上になることもあります。
乗り換え(借り換え)によるメリットの可能性
もし金利2%程度のローンに借り換えることができれば、月々の返済負担を抑えつつ、支払う利息総額を減らすことが可能です。ただし、既存ローンの残債と、「返戻される未到来分の分割手数料」の計算がカギになります。
特に「78分法」や「期限未到来の手数料35%控除」といった契約条件は、解約時の返戻金を大きく左右します。
78分法とは何か?計算例でわかりやすく解説
78分法とは、ローン期間全体を78の分数に分割し、各支払回に応じた分割手数料の償却割合を決める方法です。たとえば36回払いならば「1+2+…+36=666」をベースに計算します。
ローン開始から6ヶ月後に解約する場合、未償却の手数料は30ヶ月分(約80%)残っていると見なされます。ただし、そこから会社規定の控除(例:35%)が引かれるため、実際に戻ってくる額は未償却分の65%に限られます。
乗り換えを検討する際の注意点
借り換えによる節約額と、新たにかかる手数料・印紙代・金利差のメリットを冷静に比較する必要があります。また、新ローンの審査に通るかどうかも大切な判断材料です。
さらに、手続きによって一時的に信用情報に複数の照会がかかるため、今後のクレジットカード申請などに影響する可能性もゼロではありません。
実際のケース:どれくらい得になる?
たとえば、残高150万円・分割手数料80万円のアドオンローンを、年2.0%のローンに乗り換えると仮定します。未経過手数料が60万円残っており、その65%が返金(=39万円)されるとすると、実質の借換後の残債は111万円。
この金額に対し年2.0%の利息を適用すれば、総支払利息は約10万円前後まで圧縮される可能性があります。つまり乗り換えによって、40万円近い節約効果が見込めることもあります。
まとめ:乗り換えは計算次第で有効な選択肢に
アドオン方式の自動車ローンから、金利の低い元利均等型ローンなどに乗り換えることは、場合によっては実質的な支払い総額を大きく減らすことにつながります。ただし、契約書の条項をよく読み、返戻金や手数料の計算をした上で、金融機関に相談することが重要です。
手数料の仕組みが分かりづらいと感じたら、金融アドバイザーやFPに一度相談してみるのもおすすめです。
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