整骨院の療養費と医療費の違いとは?世帯主署名の理由もわかりやすく解説

国民健康保険

整骨院に勤務していると、レセプト提出に関して患者様から様々な質問を受けることがあります。中でも「なぜ世帯主の名前でサインしなければならないのか?」という疑問はよくあるものです。本記事では、療養費の申請における署名の扱いと、整骨院の療養費と医療機関での医療費の違いについて解説します。

療養費申請における世帯主の署名が求められる理由

整骨院では、健康保険を使って施術費の一部を保険者(協会けんぽや組合健保など)から請求する「療養費支給申請書」を提出します。この際、世帯主が署名することで、扶養家族の分も正当な手続きであると確認されるため、署名が必要となります。

扶養に入っている方(たとえば主婦や学生など)の場合、保険証の名義は世帯主(多くはご主人など)になっています。そのため、実際に施術を受けたのが本人でも、保険制度上の手続きでは世帯主が「申請者」として扱われるのです。

医療費(病院)と療養費(整骨院)の制度の違い

医療機関では「診療報酬制度」に基づき、患者はあらかじめ決められた自己負担額(通常は3割)を支払い、残りは医療機関が保険者に請求します。これは「受領委任」制度が標準であり、患者は特に手続きを意識しなくても問題ありません。

一方、整骨院では「療養費」の形で支給されるため、保険者に対して直接申請する必要があり、申請書に署名や捺印が必要になります。現在では受領委任払いが主流になり、整骨院側が保険者から費用を受け取りますが、形式上は「患者が申請して整骨院に支払いを委任する」構造になっています。

具体的な例で見る署名の必要性

例えば、40代主婦のAさんが整骨院に通院している場合、健康保険証は夫の名前になっているため、療養費申請書には夫(世帯主)の署名が必要になります。これにより、申請書が正式なものとして保険者に受理され、支給が行われます。

ただし、保険証に本人の名前が記載されている場合(たとえば本人が会社員で健康保険加入者)、署名は本人で問題ありません。重要なのは、保険証の名義=保険契約上の申請者であることです。

整骨院での療養費制度の仕組み

療養費は「急性の外傷性のけが」(打撲・捻挫・挫傷など)に対して保険が適用されます。肩こりや疲労といった慢性的な症状には原則として保険が使えません。これも、病院との制度の違いとして理解しておく必要があります。

保険適用には正当な理由と手続きが求められるため、患者にも丁寧に説明することがトラブル回避に繋がります。

患者への伝え方のポイント

患者に説明する際は、難しい制度用語を避け、「保険証がご主人名義なので、手続き上ご主人のサインが必要になります」と簡潔に伝えるのが効果的です。また、「医療機関と違って、整骨院では保険を使うときに申請が必要になるので、その一環です」と説明すると、より理解してもらいやすくなります。

まとめ:制度を理解して安心の対応を

整骨院で療養費を保険請求するには、保険証の名義人(多くは世帯主)の署名が必要になるのは制度上の理由によるものです。また、医療費と療養費では仕組みが異なるため、スタッフも患者もそれを正しく理解しておくことが大切です。日々の業務で自信を持って説明できるよう、制度のポイントを押さえておきましょう。

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