自然災害によって車に被害が出た際、「飛来物による損傷」として自動車保険を使いたいと考える方は多いでしょう。しかし、実際には保険会社によって事故の原因認定に違いが出ることがあります。本記事では、風によって飛ばされた物体が車に接触した場合の自動車保険の適用判断と、等級ダウンの違いについて詳しく解説します。
「飛来物」とは?自動車保険での一般的な定義
自動車保険において「飛来物」とは、建物の屋根から落ちた瓦や、台風で舞い上がった看板、落下してきた木の枝など、上空から弧を描いて車にぶつかった物が該当するのが一般的です。
これは、予見が困難で、運転者の過失がない自然災害的な要因として扱われるため、保険使用時の等級ダウンが1等級に抑えられる特徴があります。
「物との接触」と判断されるケースとは
一方で、地面に置かれた物が風で押されて転がり、車にぶつかった場合は、保険会社によって「物との接触」と見なされることがあります。この分類では、人為的要素が強いと判断され、通常は3等級ダウンとなります。
実例として、自宅の宅配ボックスが風で動き、駐車中の車にぶつかって傷がついたケースでは、保険会社によっては「飛来物ではない」とされる可能性が高いです。舞い上がって車に落下したと立証できなければ、等級ダウンは軽減されにくいです。
保険会社の認定判断のポイント
保険会社が「飛来物」か「物との接触」かを判断する際の主なポイントは以下の通りです。
- 物体が舞い上がったと立証できるか(目撃証言・映像など)
- 被害車両と物体の位置関係・破損の仕方
- 過去の同様事例と認定の整合性
これらの要素を元に、等級ダウン数が決まるため、主観的な納得感だけでなく、客観的な証拠が大きく影響します。
損害認定に不満がある場合の対処法
もし保険会社の認定に納得できない場合、以下のような対応が可能です。
- 事故現場の写真・動画を提出して再調査を依頼する
- 第三者(修理業者や目撃者)の証言を加える
- 異議申し立てを行い、保険会社内の上位部門に再審査を要請する
保険会社もすべてを杓子定規に判断するわけではなく、明確な根拠があれば再評価されることもあります。
自然災害時の保険活用で覚えておくべきこと
風災・飛来物被害が発生しやすい台風や強風の日には、車を屋内や風の影響を受けにくい場所に避難させるなどの「事故予防策」も重要です。
また、自動車保険の契約内容によっても、風災補償の扱いに差があるため、事前に補償内容や等級制度の仕組みを理解しておくことが被害後の混乱を防ぐ鍵となります。
まとめ
自動車に飛来物がぶつかったか、転がってきた物がぶつかったかによって、保険適用時の等級ダウンの扱いが変わるのは事実です。風による事故であっても、保険会社の認定基準により「飛来物」とはされないケースもあります。トラブルを防ぐには、事故状況を詳細に記録し、保険会社と丁寧に交渉する姿勢が重要です。
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