自動車保険に加入している方の中には、「事故を起こした後に特約を追加すれば補償を受けられるのか?」と疑問に思うケースがあります。特に全損事故を経験した直後には、全損時復旧費用特約などを検討する人も少なくありません。この記事では、事故後の特約追加が有効かどうか、またその仕組みについて詳しく解説します。
事故後に特約を追加できるのか?
基本的に事故が発生した後に付けた特約は、その事故には適用されません。保険契約は「偶然の事故に備えるもの」であり、すでに発生している事故に対して遡って補償を受けることはできないからです。
例えば、事故後に全損時復旧費用特約を追加しても、その時点で起きている全損事故には適用されず、次回以降の事故から対象となります。
特約が有効になるタイミング
自動車保険の特約は、契約時または途中で追加・変更が可能ですが、適用は申込日以降です。契約の効力は「保険会社が承認し、開始日が到来してから」発生するため、それ以前に起きた事故には一切関係がありません。
したがって、全損事故の発生後に追加した特約では補償を受けられないことを理解しておく必要があります。
全損時復旧費用特約の仕組み
全損時復旧費用特約とは、事故などで車が全損した場合に、時価額以上の補償を受けられる特約です。通常、車両保険は時価額までしか補償されませんが、この特約を付けておくと買い替えや修理に必要な追加費用を補填できます。
ただし、この特約は事前に付けておくことで初めて安心が得られるものであり、事故後に加入しても意味がない点に注意が必要です。
実例で考える
例として、新車を購入してすぐに事故に遭い、全損してしまった場合、全損時復旧費用特約を付けていなければ「時価額分」しか補償を受けられません。もし契約前にこの特約を付けていれば、買い替えに必要な金額を補償できた可能性があります。
逆に、事故を起こした後に「やっぱり必要だ」と思って付けた場合でも、その事故には適用されず、次回以降の事故から対象となるのです。
まとめ
自動車保険の特約は事故後に付けてもその事故には適用されないため、事前の備えが重要です。全損時復旧費用特約などの補償は、事故前に加入しておくことで初めて効果を発揮します。車の価値や利用状況に合わせて必要な特約を見直し、安心できる補償内容を準備しておきましょう。
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