生活費をもらえないのは経済的DV?家庭内の金銭トラブルと法的視点からの考察

家計、節約

夫婦間で生活費が十分に渡されず、家計の負担が偏っていると感じたとき、それは単なる価値観の違いではなく「経済的DV(ドメスティック・バイオレンス)」に該当する可能性があります。特に子育て中や配偶者が経済的に弱い立場にある場合、金銭的な支配は深刻な問題になり得ます。この記事では、経済的DVの定義と判断ポイント、実際の相談例、そして取るべき対応策について解説します。

経済的DVとは?

経済的DVとは、配偶者やパートナーが金銭的に相手を支配・制限する行為を指します。殴る・蹴るなどの暴力がなくても、次のような行為がある場合は経済的DVとみなされることがあります。

  • 生活費を極端に少なくしか渡さない
  • 生活費の使い道を細かく制限する
  • 収入をすべて自分の管理下に置き、相手には渡さない
  • 相手の収入や貯金を無断で使う

特に子育て中の配偶者がパートタイム勤務や時短勤務で収入が少ない状況では、生活費の適切な分担が重要です。

実際にあった事例:月15万円の生活費は適切?

例えば、子ども2人(1歳と2歳)を育てる家庭で、保育料が月6万円、食費や日用品が10万円とすると、それだけで16万円の出費です。これに加え、光熱費や通信費、被服費などを考えると、最低でも20万円前後は必要になることが多いです。

この状況で夫が生活費として15万円しか入れず、妻がさらに自分の少ない収入から補填している場合、それは不公平な家計負担であり、経済的DVと疑われる可能性があるのです。

経済的DVが離婚理由になるケース

経済的DVは民法上の「婚姻を継続しがたい重大な事由」として認められることがあります。つまり、繰り返し生活費が十分に渡されず、生活が困窮するような状態が続けば、離婚理由として成立する可能性があります。

ただし、客観的な証拠が必要となるため、家計の収支記録夫の収入証明生活費が足りないと訴えた履歴(メールやLINE)などを記録しておくことが重要です。

収入に対する生活費負担の割合を考える

夫婦間での生活費分担は収入に応じて公平に設定すべきです。たとえば、夫の年収が1,350万円、妻の年収が200万円である場合、生活費の7〜8割を夫が負担するのが妥当とされています。

このような高所得でありながら、生活費負担を最小限に抑え、さらに光熱費も妻に負担させようとする行為は、法的にも倫理的にも問題があるといえるでしょう。

今すぐできる対策と相談先

経済的DVが疑われる場合、以下の行動を検討してください。

  • 家計簿をつける:生活費の不足状況を記録
  • 収入証明を保管:夫の収入と支出のバランス確認
  • 配偶者とのやり取りを記録:メールやLINEで生活費の交渉履歴を残す
  • 配偶者暴力相談支援センター弁護士への相談

全国の自治体には配偶者暴力相談支援センターがあります。無料で法律相談を受けられる窓口もあるため、まずは一人で悩まずに専門機関に相談してみましょう。

まとめ:経済的DVは見過ごしてはいけない

経済的DVは目に見えにくい形の暴力であり、放置すると精神的・経済的に追い詰められてしまうこともあります。特に育児中や専業主婦・パート勤務などで立場が弱いと感じている方は、まず状況を「記録」することから始めましょう。

生活費が明らかに不足しており、それを訴えても改善されない場合は、法的な対処を視野に入れることが大切です。

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