「70代の親が生命保険に入っていないのは大丈夫?」という不安を抱える方は少なくありません。今回は、70代で保険未加入のリスクや必要性、そして貯蓄とのバランスの取り方について、具体例を交えてわかりやすく解説します。
70代で保険未加入の人は意外と多い?
生命保険文化センターの調査によると、70歳以上で民間の生命保険に未加入の人は約4割以上にのぼります。すでに保険期間が満了したり、高齢で新規加入が難しくなることも背景にあります。
「加入していない=不安定」というわけではなく、生活状況や貯蓄次第で問題ないケースも少なくありません。
保険の目的を整理する:何のために入るのか
生命保険の主な目的は大きく以下の3つに分けられます。
- ① 死亡保障(葬儀代や残された家族の生活費)
- ② 医療・入院費用の備え
- ③ 相続や資産継承対策
70代の場合、家族の生活費を支える目的は小さくなります。一方、医療費や葬儀費用に備える目的での保険は、今からでも検討の価値があります。
貯蓄があれば保険は不要なのか?
一定の預貯金があり、突発的な入院費や葬儀代にも対応できるなら、あえて高額な保険に加入しなくても問題ないことが多いです。例えば、葬儀費用の全国平均は約150万円と言われていますが、貯金でそれをまかなえるなら大きな不安はありません。
ただし、「資金はあるが、家族がすぐに引き出せない」「医療費が一時的に膨らむ可能性がある」といったケースでは、保険が“緊急用の現金”として機能することもあります。
今からでも加入できる保険の選択肢
70代でも加入できる保険には以下のようなタイプがあります。
- 医療保険(シニア向け):持病があっても入りやすい簡易告知型など
- 終身保険(少額死亡保障):葬儀費用をカバーする目的で加入する人が多い
- 共済保険:都道府県民共済やCO・OP共済など、割安で加入しやすい
ただし年齢が高くなるほど月額保険料は上がりやすく、加入後すぐには保障されない「免責期間」があることも要注意です。
実例:保険未加入でも安心できるケースとそうでないケース
・ケース①:70代夫婦、預貯金2000万円、持ち家、子どもも自立済み。→保険は未加入でも大きな問題はなし。
・ケース②:70代一人暮らし、貯蓄200万円、入退院が年に数回。→医療共済や簡易型医療保険を検討することで安心材料に。
まとめ:保険は「絶対に必要」ではなく「家族の安心材料」
70代で生命保険に入っていないことは珍しくありません。大切なのは、貯蓄や資産、健康状態を踏まえて必要な備えがあるかどうかです。
必要以上の保険で毎月の支出が増えるよりも、本当に必要な保障だけをピンポイントで用意することで、家族も本人も安心して暮らせる老後設計が実現できます。
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