健康保険証は新しいものが発行されると旧版は不要に思えますが、実は多くの場合、返却が義務とされています。万が一、破棄や紛失してしまった場合でも慌てず、正しい対処を知っておくことでトラブルを回避できます。
保険証には返却義務があるのか?
会社員やその扶養家族が加入する健康保険(協会けんぽや組合健保など)では、新しい保険証を受け取った後は古い保険証を勤務先または保険者へ返却する義務があります。これは不正利用を防止するためで、法律やガイドラインに基づいて定められています。
特に紙の保険証の場合、古い保険証が有効期限切れであっても、万一の悪用リスクを考慮して回収されるのが一般的です。
誤って破棄してしまった場合の対処法
古い保険証をすでにシュレッダーにかけてしまった、あるいはゴミとして処分してしまった場合は、速やかに保険証を管理している部署(人事部や健康保険組合)にその旨を報告しましょう。
この際に伝えるポイントは以下の通りです。
- 返却義務を知らず破棄してしまったこと
- 新しい保険証は手元にあること
- 破棄した時期や状況(例:5月末に家庭ゴミとして処分)
通常、悪意がない場合はペナルティが科されることは少ないですが、事実を正確に伝えることが信頼関係の維持に繋がります。
返却を怠ったときに起こりうるトラブル
旧保険証の返却をしないままでいると、不正利用の疑いをかけられるリスクがあります。また、会社によっては厳格に管理しているため、返却まで新しい保険証の有効化が保留になる場合もあります。
たとえば、家族の保険証の発行管理を夫の勤務先がしている場合、古い保険証が回収されていないことを理由に「健康保険被扶養者認定」の取り消しなど、思わぬ影響を及ぼすこともあるので注意が必要です。
保険証管理のベストプラクティス
保険証の取り扱いについては、以下の点に注意することで今回のようなトラブルを防げます。
- 新しい保険証を受け取ったら、同時に古い保険証の返却指示があるか確認
- 家族の分を含め保険証は一括管理しておく
- 処分前に、必要な返却・報告がないかを確認する
特に家族が扶養されている場合、保険証は「勤務先から貸与されたもの」という意識を持って扱うのが基本です。
まとめ:破棄してしまったときこそ冷静な対応を
健康保険証は本人確認にも使える重要な公的書類です。返却の必要があることを知らずに破棄してしまっても、まずは正直に報告することが最善の対処です。過失を責められるケースは少なく、丁寧な対応で今後の信頼にもつながります。
保険制度の仕組みや手続きは複雑ですが、正しい知識を持つことで、不要な不安やトラブルを避けることができます。
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