退職後の健康保険の選択肢を徹底解説|任意継続・国民健康保険・扶養のどれが最適?

社会保険

会社を退職した後、多くの方が直面するのが「健康保険をどうするか」という問題です。収入が雇用保険のみになる場合や、将来的に再就職を予定している場合には、選択肢の一つひとつを慎重に検討する必要があります。この記事では、退職後に取れる主な3つの健康保険の選択肢と、それぞれの特徴や向き・不向きをわかりやすく解説します。

選択肢1:協会けんぽの任意継続被保険者制度

任意継続とは、退職前に加入していた健康保険を最大2年間そのまま継続できる制度です。加入には以下の条件を満たす必要があります。

  • 退職前に継続して2か月以上被保険者であった
  • 退職後20日以内に申請する

保険料は、会社負担がなくなり全額自己負担になりますが、在職時の標準報酬月額(今回の例では15等級=およそ28~30万円)を基に計算されます。

たとえば、月額保険料が約28,000~30,000円程度になるケースが多く、収入がない状態では負担が重く感じられるかもしれません。

選択肢2:国民健康保険に切り替える

もう一つの選択肢は、自治体が運営する国民健康保険に切り替えることです。保険料は前年の所得や世帯構成、自治体によって異なります。

退職後に収入が雇用保険の基本手当のみになる場合、所得がゼロに近くなるため、保険料が軽減されるケースもあります。特に「前年の所得がない」「同一世帯に被保険者がいない」などの条件がある場合、7割・5割・2割のいずれかの軽減措置が適用される可能性があります。

例えば、前年の所得が100万円以下であれば、年間保険料が10万円前後になることもあります(自治体による)。

選択肢3:夫の健康保険の扶養に入る

退職後に再就職せず、当面は雇用保険の受給のみという場合、条件を満たせば夫の健康保険の扶養に入ることも可能です。扶養に入るには以下の要件を満たす必要があります。

  • 年収が130万円未満(60歳以上や障害者の場合は180万円未満)
  • 夫の収入の1/2未満
  • 雇用保険の基本手当が1日あたり3,612円未満(年換算で約130万円未満)

たとえば、雇用保険の基本手当が日額3,000円なら、年収換算で109.5万円となり、扶養に入れる可能性が高まります。扶養に入ると保険料負担がゼロになるため、経済的には最もメリットがあります。

選択肢を比較した上での判断ポイント

選択肢 保険料 加入条件 向いている人
任意継続 月額2.8~3万円程度 退職後20日以内に申請 在職時の報酬が低めで比較的安い人
国民健康保険 収入によって大きく変動 退職後14日以内に申請 所得が低く軽減措置が受けられる人
扶養に入る 保険料ゼロ 年収130万円未満など 扶養条件を満たす人

それぞれの保険制度には特徴とメリット・デメリットがあります。特に経済的に不安がある方にとっては、保険料の軽減や免除制度を活用できるかどうかが大きなカギになります。

まとめ

退職後の健康保険には「任意継続」「国民健康保険」「扶養」の3つの主な選択肢があります。保険料の負担、今後の就職予定、世帯の収入状況などに応じて最適な方法を選びましょう。

特に、扶養に入れる条件を満たしている場合は最も経済的ですし、収入がゼロに近い場合は国民健康保険の軽減措置を確認する価値があります。迷ったときは、自治体の国保窓口や、加入していた健康保険組合への相談をおすすめします。

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