将来への不安や老後資金への備えとして、若いうちから資産形成を考えるのは非常に素晴らしいことです。しかし、収入が不安定な時期においては「貯金」と「投資」のバランスをどう取るかで迷うのは当然のこと。本記事では、現役フリーターや就職前の若者に向けて、つみたてNISAと現金貯金のバランスをどう考えるべきかをわかりやすく解説していきます。
フリーター期間中は貯金を重視するのが基本
つみたてNISAは長期的な資産形成に非常に適していますが、元本割れのリスクがあるため、安定収入がない期間に無理をして投資額を増やすのは避けたいところです。
現金貯金は突然の病気や失業、引っ越しなどの「ライフイベント」に柔軟に対応できる最大の備えです。特に就職前やフリーターの身分では、生活防衛資金として最低でも3〜6ヶ月分の生活費(目安として50〜100万円)は手元に持っておくのが望ましいとされています。
つみたてNISAは“長期・少額・定額”が基本
毎月1万円という無理のない金額でつみたてNISAを継続しているのは、非常に良い判断です。NISAは「コツコツ積み立てること」で力を発揮する制度。少額でも時間をかけることで複利の効果を得ることができます。
たとえば月1万円の積立でも年利5%で20年間運用した場合、元本240万円に対し約100万円近い運用益が期待できます。20代からの積立開始は老後に向けた大きなアドバンテージになります。
就職後に増額を検討するタイミングとは
正社員として安定収入を得られるようになったら、つみたてNISAの月額を2万円に増やすという選択肢は現実的です。その際、生活費と貯金のバランスを見ながら、以下のような「支出ルール」を参考にするとよいでしょう。
- 収入の20%:貯金
- 収入の10〜15%:投資(つみたてNISAなど)
- 残りの65〜70%:生活費
例えば月収20万円であれば、つみたてNISAに2万円(10%)を回すのは無理のない金額です。
現金貯金と投資の比率:よくあるケース
若い世代で資産形成を始めている人の多くは、現金:投資の比率を「7:3」または「6:4」程度に保っているケースが多く見られます。これは将来の安定性と、投資による資産増加を両立させるためのバランスといえます。
たとえば、現時点で85万円の現金貯金があるなら、生活防衛資金としてはすでに十分なラインに近いため、残りの余剰資金は少しずつ投資に回してもよい時期かもしれません。ただし、就職までの期間に収入が変動する可能性がある場合は、急激な増額は控える方が安心です。
まとめ:焦らず、着実に資産を育てよう
フリーターである現状を考えると、現在の「毎月1万円のつみたてNISA+6万円の貯金」という配分は非常に堅実なバランスです。今後、正社員になり収入が安定してから増額を検討するのが最善の道といえるでしょう。
将来への備えとして投資を始めることは重要ですが、最も大切なのは「継続できること」。無理のない範囲でコツコツ積み上げていけば、確実に資産は育っていきます。
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