アルバイトやパートで働く際、社会保険への加入条件や勤務時間に関するルールは複雑に感じることがあります。特に「社会保険に入れないから国保に加入したが、勤務時間は80時間まで」と言われた場合、それが本当に法律上の決まりなのか、企業独自の運用なのかは気になるところです。今回はマクドナルドなど大手チェーンでよく見られる勤務体系をもとに、国保と勤務時間制限の関係をわかりやすく解説します。
社会保険加入の条件とは?
社会保険(健康保険・厚生年金)に加入できるかどうかは、労働時間や勤務日数などで決まります。パート・アルバイトの場合、以下の条件を満たすと加入が必要になります。
- 1週間あたりの所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8.8万円以上(2025年7月現在)
- 2ヶ月を超える雇用見込み
- 学生でないこと
- 勤務先の従業員数が常時51人以上
つまり、これらの条件を満たせば、本人の希望に関係なく社会保険への加入が法律で義務づけられるのです。
「社会保険の枠が埋まっている」という説明の真相
「社会保険に入れる人数に上限がある」という話は、法的根拠があるわけではなく、店舗や雇用側の都合による人員調整である場合が多いです。例えば、パート従業員を社会保険に加入させることで発生する会社負担を抑えるため、一定の時間以上働かせないという運用がなされている可能性があります。
ただし、このような対応が法律違反というわけではなく、「加入条件を満たさないように勤務時間を調整している」ということであれば、合法です。しかし、従業員側としては不満が残ることもあるため、労働条件の事前確認が重要です。
国民健康保険と勤務時間の関係
国民健康保険(国保)に加入しているからといって、労働時間に直接制限がかかるわけではありません。国保はあくまで「社会保険に加入していない人のための保険制度」であり、勤務時間とは無関係です。
したがって、「国保なら月80時間まで」というルールは法律上は存在せず、会社側が社会保険加入義務を回避するために設けた独自ルールである可能性が高いです。
勤務時間を増やしたい場合の対処法
勤務時間を増やして安定した収入を得たい場合は、まず社会保険への加入を前向きに捉えることが必要です。社会保険に加入することで、以下のようなメリットがあります。
- 将来の年金受給額が増える
- 健康保険の保障内容が手厚くなる
- 失業時の雇用保険給付につながる
もし店舗側が「加入できる枠がない」として断っている場合でも、本部や人事部門に直接相談することで道が開ける可能性もあります。
実例:他のチェーン店での対応
たとえば、同じ飲食業界で働くAさんは、フルタイム近く働いていたにも関わらず社会保険に入れずにいました。本人から「社会保険に加入したい」と申し出たところ、勤務時間の調整や手続きがスムーズに行われ、1ヶ月以内に加入が完了しました。
一方で、ある店舗では「人件費の都合で社会保険加入者は制限している」と説明されたケースもありましたが、本部に相談することで異動や加入の選択肢が提案されたという事例もあります。
まとめ:ルールは職場ごとに異なるが法律は明確
「社会保険に入れないから月80時間までしか働けない」という主張は、法律で定められたものではなく、会社側の運用によるものです。国保加入そのものが労働時間に制限をかけることはありません。
働き方を見直したい、収入を安定させたいと考える場合は、社会保険加入を前提とした勤務体制の提案を行ったり、他の職場も視野に入れて検討することが大切です。
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