コンビニで働いていると、少し不思議な支払い方法を希望されるお客様に出会うことがあります。その中でも「現金で○○円、残りをPASMOでお願いします」という支払い方法は、レジ操作上対応できないケースが多く、店員としては戸惑うこともあるでしょう。本記事では、なぜ一部の人がそのような支払いをしようとするのか、背景や心理をわかりやすく解説します。
交通系ICカードと現金の併用が原則不可な理由
多くのコンビニでは、交通系ICカード(PASMO、Suicaなど)と現金を「同一会計で同時に併用」することはできません。これはPOSシステム(レジシステム)の仕様によるもので、システム上の制限により一つの支払い手段で全額を決済する必要があるからです。
一方で、「PASMOで足りなかった分を現金で払う」ようなケースは可能です。ただしこれは、まずPASMOで支払いを試みた後にエラーが出て、不足額が明示された上での追加入力という形で、例外的に処理が許可される仕様になっています。
なぜ「現金+PASMO」で支払いたい人がいるのか
このような支払い方を希望する人の多くは、「事前に手持ちのPASMO残高だけでは足りない」と認識しているケースです。つまり、「ちょっとだけ残っているPASMOの残高を使い切りたいが、それだけでは足りない」と思っているのです。
例えば「商品代が758円。PASMOには600円残っている。差額の158円だけ現金で払えばOK」と考えている場合、順序として「現金→PASMO」と言ってしまうことがあります。
実際の支払い方法として正しい手順
システムに対応してもらうためには、「PASMOを先に全額タッチ」し、残高不足になった場合にのみ、レジ側で現金の支払いを促す形式が最もスムーズです。
そのため、店員としては「先にPASMOをタッチしてみてください。不足があればその分だけ現金でお支払いいただけます」と説明するのが親切です。
お客様側の知識不足が原因のことも
一部の利用者は、レジシステムの仕様や併用ルールを知らずに、「自由な割合で現金とICカードを混ぜて支払える」と思い込んでいます。
これはスーパーや百貨店など、複数の支払い方法に柔軟に対応している業態の経験から、勘違いしている可能性があります。特に高齢者や非デジタル世代にとっては「ICカード残高を減らしたい」という発想が強く出る傾向にあります。
対応のコツと伝え方
現場での混乱を避けるには、次のような言い方がおすすめです。
- 「先にPASMOをタッチしてみてください。足りなかった分だけ、現金で大丈夫です。」
- 「申し訳ありません、現金で一部を先にお預かりして、残りをPASMOという形はできないんです。」
明確かつやさしい説明で、ほとんどのお客様は納得してくれます。
まとめ:混乱の背景を理解して対応力を高めよう
「現金とPASMOの併用希望」は、一見ルール違反のように見えても、お客様の「使い切りたい」「節約したい」という意図から生まれる行動です。
その背景を理解し、冷静かつ丁寧に対応することで、接客の質を高めることができます。支払いのルールをわかりやすく伝えながら、お客様の立場に立った応対を心がけましょう。
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