定期預金と一時払い個人年金保険、どちらがお得?税制メリットとリスクを徹底比較

生命保険

まとまった資金を5年間寝かせておける状況で、定期預金と一時払いの個人年金保険のどちらを選ぶべきか迷う方は少なくありません。一見すると利率に大きな差がないように見えても、税制の違いが実質的なリターンに影響を与えることがあります。この記事では、税金の扱いや安全性、流動性などの観点から両者を比較し、最適な選択肢を見つけるためのポイントを解説します。

定期預金の特徴と税金の取り扱い

定期預金は銀行にお金を一定期間預けておくことで、約束された利息が得られる金融商品です。元本保証があるため、安全性は極めて高いといえます。

ただし、受け取る利息には20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の源泉分離課税がかかるため、実質的な利回りは記載利率よりも低下します。たとえば、1.2%の利率なら税引後の実質利回りはおよそ0.96%になります。

個人年金保険の特徴と税制優遇

一時払いの個人年金保険は、まとまった保険料を支払って将来に年金や一括金として受け取る商品です。一定の条件を満たせば「年金受取時に雑所得扱い」となり、総合課税対象になります。

ただし、年金形式で分割して受け取れば、公的年金等控除が適用されるため、所得税が軽減されるケースがあります。一方、一括受取の場合は「一時所得」となり、50万円の特別控除を受けた後、1/2課税されるため、税負担は低めに抑えられることがあります。

リスク比較:元本保証と保険会社の信用リスク

定期預金は預金保険制度によって1,000万円とその利息まで保証されるため、極めて低リスクです。

一方、個人年金保険には保険会社の経営破綻リスクや中途解約時の元本割れリスクがある点に注意が必要です。保険契約者保護機構による保護制度はあるものの、100%元本が守られるわけではありません。

流動性の違いにも注目

定期預金は基本的に中途解約可能ですが、利息が減るなどのデメリットがあります。とはいえ、必要になれば現金化が比較的容易です。

一方、個人年金保険は中途解約時に大きく元本割れする可能性があり、基本的には契約期間中は手を付けられないと考えるのが無難です。

実例:500万円を5年間預けた場合の比較

定期預金(1.2%×5年)
利息:約30万円 → 税引後:約23.9万円
→ 合計受取額:約523.9万円

個人年金保険(実質利回り1.3%×5年)
利息:約33.4万円 → 一時所得控除や1/2課税後の課税所得:約(33.4-50)×1/2=課税ゼロ
→ 合計受取額:約533.4万円

まとめ:目的とリスク許容度に応じた選択を

定期預金は安全性・流動性に優れ、短期的な資金の置き場所に適しています。一方で、一時払い個人年金保険は税制上の優遇や利回りの優位性がある一方で、リスクと流動性に制約があります。

「絶対に元本を守りたい」「いつでも引き出せるようにしておきたい」なら定期預金、「税制メリットを最大限に活かしたい」「5年間は動かさないと決めている」なら個人年金保険が向いているかもしれません。

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