退職や失業によって収入が途絶えた場合、国民年金保険料の支払いが負担になることがあります。このような状況に対応する制度として「免除申請」がありますが、前年度に収入があると申請が通らないのではと不安になる方も少なくありません。この記事では、年金免除制度のしくみと、前年度の年収がある場合でも申請できるケースについて詳しく解説します。
国民年金保険料免除制度のしくみ
国民年金の保険料免除制度には、「全額免除」「一部免除」「学生納付特例」「納付猶予」など複数の種類があります。これらはいずれも「経済的に困難な状況にある人」を対象としています。
免除が認められるかどうかは、基本的に申請者本人と世帯主・配偶者の前年所得に基づいて判断されます。これにより、前年度に収入が多かった場合、初期の申請で不承認となることもあります。
前年に年収400万円あった場合の免除の可否
例えば2024年12月まで働いて年収が400万円あった場合、2025年度(2025年7月〜2026年6月)の免除申請では、その前年(2024年)の収入として扱われます。国民年金免除の基準では、扶養人数によりますが、400万円の年収は多くの場合「免除対象外」とされる可能性が高いです。
ただし、所得から一定の控除が差し引かれてから判定されるため、扶養家族の有無や保険料控除、社会保険料控除、基礎控除の適用次第では免除の可能性が残ります。
免除が通らない場合の対処法
免除申請が不承認になった場合でも、「納付猶予制度」の申請が可能な場合があります。特に50歳未満であれば、本人と配偶者の所得のみが判定対象となるため、猶予が認められることがあります。
また、前年収入の影響がなくなる翌年7月以降(例:2026年7月〜)は、今年の無収入状態が反映されやすくなりますので、再申請することで免除が認められる可能性も高まります。
7月以降に再申請して通る可能性もある
免除の審査は通常7月に切り替わります。したがって、「2025年1月から無職」であれば、2026年度(2026年7月〜)の申請で通る可能性が高くなります。それまでは支払いを猶予してもらうか、全額自己負担で納付を続けることになります。
なお、日本年金機構の公式サイトでも最新の免除基準が案内されていますので、申請前に確認すると安心です。
申請方法と注意点
免除申請は、お住まいの市区町村の役所または年金事務所で行います。本人確認書類や所得状況がわかる書類が必要です。オンライン申請にも対応しています。
注意点として、免除期間中は年金受給額に影響が出ることがあります。ただし「追納」することで将来的な年金額を補うことが可能です。
まとめ|今すぐ免除が通らなくても諦めないで
前年に年収があっても、退職後の生活が苦しい場合には年金免除や納付猶予の活用を検討する価値があります。免除が通らない場合も、時期を変えて再申請すれば通る可能性があります。申請は無料でできるため、まずは役所や年金事務所に相談してみることをおすすめします。
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