株式やFXなどの取引を行っており、確定申告をしている方の中には「医療費控除を受けることで税金が減るのか?」「給与以外の所得にも関係あるのか?」と疑問を抱くケースもあるでしょう。この記事では、医療費控除と株・FX所得との関係について、税制の仕組みを交えてわかりやすく解説します。
医療費控除とは?所得税を減らす代表的な控除
医療費控除は、1年間(1月1日~12月31日)に自己負担した医療費が10万円(または総所得金額の5%)を超える場合、超えた部分を所得から差し引くことができる制度です。
その結果、課税対象となる「課税所得」が下がり、それに応じて所得税や住民税の負担も軽減されます。
株やFXの所得にも医療費控除は適用される?
株式やFXの所得がある場合、医療費控除の効果があるかは課税方式によって異なります。
- 申告分離課税(株・FX特有の課税方式):医療費控除の対象外
- 総合課税所得(給与・事業など):医療費控除の対象
つまり、株やFXの所得に対する税額(分離課税分)には、医療費控除は適用されません。
控除の影響を受けるのはどの所得?
医療費控除が影響するのは「総合課税」扱いとなる所得、たとえば以下のものです。
- 給与所得
- 事業所得
- 不動産所得
- 雑所得(年金など)
株やFXなどの「申告分離課税」で計算される所得とは別枠のため、たとえ高額な医療費控除があっても分離課税対象の所得税額そのものは変動しません。
医療費控除が“ムダ”にならないケースとは?
株やFXの所得に適用されないからといって、医療費控除が全く無意味になるわけではありません。
たとえば、給与所得が少ない場合でも住民税や所得税の一部が還付される可能性があります。また、住民税の所得割・均等割が軽減されることもあります。
実例:株所得と給与所得のあるケース
例:Aさん(給与所得120万円、FX所得100万円)
→ 医療費控除10万円あり
→ 控除は給与所得から適用されるため、給与にかかる所得税・住民税は軽減されるが、FX所得の税額(申告分離課税分)は変わらない
まとめ
✔️ 医療費控除は「総合課税」部分にのみ適用される
✔️ 株やFXの利益(申告分離課税)は控除の影響を受けない
✔️ 給与所得や住民税には控除が反映される可能性あり
✔️ 控除がムダになるわけではないので、確定申告は忘れずに
株やFXの収益が大きい方でも、医療費がかかった年はきちんと控除申請をして税金の最適化を図ることが大切です。
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