専業主婦として夫の遺族年金で暮らしていけるのは何年生まれまで?制度の変遷と将来への備え方

税金、年金

夫に先立たれた際に頼りになるのが「遺族年金制度」です。とくに専業主婦であれば、遺族年金の金額が生活の基盤となることも少なくありません。では、実際に遺族年金だけで生活していけるのはどの年代の女性までなのでしょうか?本記事では、昭和生まれ世代を中心に、制度の仕組みや暮らしへの影響、今後の対策について詳しく解説します。

遺族年金の基本:受給対象と支給条件

遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。夫が国民年金に加入していた場合は前者、厚生年金加入者だった場合は後者が支給されます。

遺族基礎年金は18歳未満の子どもがいる妻にしか支給されないため、子どもがいない専業主婦が受け取るのは原則として「遺族厚生年金」のみです。

昭和生まれのどの世代まで遺族年金で生活できたのか

昭和30年代(1955年前後)生まれの専業主婦までは、夫の厚生年金収入と退職金を前提とした「専業主婦モデル」で暮らしていたため、夫亡き後の生活も遺族厚生年金で最低限は成り立つよう設計されていました。

一方で、昭和40年代(1965年以降)生まれの女性になると、バブル崩壊や年金制度の見直しが重なり、遺族年金だけで生活するのは難しくなったという傾向が見られます。

遺族年金の支給額の目安と生活費との比較

遺族厚生年金は、夫の厚生年金報酬の3/4(条件によっては2/3)程度が支給されます。たとえば、夫が年金受給時に月額15万円だった場合、妻は約10~11万円程度を受給できます。

生活費が月に15万円以上かかると仮定すると、年金だけでは足りないことが分かります。物価上昇や医療費増加を考慮すると、貯金やその他の収入源が必要になるケースも増えてきています。

制度改正により将来的に受給条件が厳しくなる可能性も

年金制度は今後も見直される可能性が高く、遺族年金の支給開始年齢が引き上げられたり、受給額の調整が入ることが検討される場合もあります。

現状では、昭和30〜40年代生まれの女性は比較的制度の恩恵を受けやすい世代とされていますが、それ以降の世代は「遺族年金だけで暮らせる」と安易に考えるのは危険です。

遺族年金以外で生活費を補うためにできる備え

遺族年金で生活が厳しくなる可能性に備え、生命保険での死亡保障を厚くしておく、またはiDeCoなどで老後資金を積み立てておくことが有効です。

また、パート勤務で厚生年金に加入しておくことで、将来自身の老齢厚生年金額を増やすこともでき、安心感に繋がります。

まとめ:遺族年金に頼りすぎず、今から備えることが鍵

昭和30年代〜40年代前半生まれの女性は、遺族年金制度における比較的安定した時期に該当し、制度上の恩恵も大きい世代です。ただし、それ以降の世代になるほど社会の変化や制度改正の影響を受けやすく、遺族年金だけに頼るのは現実的ではありません。

「今の生活を見直す」「小さくても収入源を確保する」「老後資金を積み立てる」など、できることから少しずつ備えておくことが、安心につながります。

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