ふるさと納税は、自分の好きな自治体に寄付しながら税金の控除を受けられる制度として、多くの方に利用されています。なかでも、確定申告不要で控除が受けられる「ワンストップ特例制度」は非常に便利な仕組みです。しかし、転職や就業ブランクがある年には「自分は使えるのか?」と不安になることも。本記事では、年の途中から就労を開始したケースでも、ワンストップ特例制度を利用できるかについて詳しく解説します。
ワンストップ特例制度の基本的な仕組み
ワンストップ特例制度は、確定申告を行わない給与所得者が、寄付先の自治体に申請書を送ることで、ふるさと納税の税控除を住民税から受けられる制度です。適用条件は以下の通りです。
- 1年間の寄付先が5自治体以内であること
- 確定申告を行わない給与所得者であること
- ふるさと納税を行うたびに申請書を寄付先へ提出していること
そのため、基本的には会社員などの「年末調整で納税手続きが完結する人」が対象となります。
年の途中から就職した場合の扱いは?
1月から3月まで無職や無収入だったとしても、4月以降に就職し、年末までに給与所得がある場合は、その年の「給与所得者」として扱われます。そのため、他に確定申告が必要な収入がなければ、ワンストップ特例制度を利用することが可能です。
重要なのは、年末時点で確定申告の必要がないかどうかという点です。たとえば副業収入がある場合や医療費控除を受けるために確定申告をする場合には、ワンストップ特例制度は使えず、代わりに確定申告でふるさと納税の申告をする必要があります。
注意すべきケース:空白期間中の所得と確定申告
たとえば、1月〜3月にアルバイトや失業保険などで所得がある場合、それによって確定申告が必要になることがあります。また、年収が少なく「住民税非課税世帯」となる場合は、そもそもふるさと納税による税控除の恩恵を受けられないこともあります。
寄付金控除は、納税額がある人にしか適用されません。つまり、所得が少なくて住民税がゼロの場合、いくら寄付しても控除が受けられない点に注意が必要です。
実例:4月入社の会社員はワンストップ特例を使えるか?
たとえば、大学卒業後に4月から会社員として働き始めたAさんは、年末まで特に副業や医療費控除などの申告予定がない場合、ワンストップ特例制度の条件を満たします。
この場合、ふるさと納税先が5自治体以内であれば、申請書を提出することで、翌年の住民税から自動的に控除されます。確定申告の必要はありません。
制度を有効に活用するためのポイント
- ふるさと納税をした自治体ごとに申請書を提出する
- 申請書は寄付の都度、なるべく早めに送付する
- 年末までに収入状況が変わったら、再度条件を確認する
- 寄付先は5自治体以内に抑える
途中入社でも制度が使えるかは、「年末に確定申告が必要かどうか」が鍵です。
まとめ:転職・空白期間があってもワンストップ特例制度は使える可能性あり
1月〜3月に働いていなかったとしても、4月以降に就職して給与所得がある場合は、ワンストップ特例制度を利用できる可能性があります。ただし、確定申告が必要となるような副業収入や控除の申請があると対象外になるため、状況によっては確定申告でふるさと納税の申告を行う必要があります。
ご自身の収入状況と納税予定を踏まえたうえで、最適な方法を選ぶことが大切です。疑問がある場合は、ふるさと納税ポータルサイトや自治体の窓口で確認しておくと安心です。
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