パートやアルバイトなどで働く人にとって、「扶養の壁」は大きな関心ごとです。特に社会保険の壁として知られる106万円の壁について、将来的に撤廃される方針が示されていることから「結局いくらまでなら扶養に入れるの？」といった疑問も増えています。この記事では、扶養制度の仕組みと、今後どのように変わるかについてわかりやすく解説します。
「扶養の壁」とは何か？
「扶養の壁」とは、年収によって配偶者が夫の扶養に入れるかどうかを決めるラインを指します。よく知られるのは103万円、106万円、130万円の3つの壁です。
103万円の壁は、配偶者控除（所得税）に関するもの。106万円と130万円の壁は、主に社会保険（健康保険・厚生年金）の扶養に関するものです。
106万円の壁ができた背景と撤廃の流れ
現在、勤務先に「従業員101人以上」などの条件を満たす場合、年収が106万円を超えると社会保険の加入対象になります。これにより、自分で健康保険や年金保険料を負担する必要があり、手取りが減るケースがあります。
このため、「壁を超えないように働き方を抑える」という現象が広まり、労働力の確保や経済成長の観点から制度見直しが議論されるようになったのです。2024年以降、段階的に「106万円の壁」撤廃に向けた法改正が進められています。
将来、いくらまでなら扶養に入れる？
将来的に106万円の壁が撤廃された場合、扶養に入れるかどうかは「130万円未満」が社会保険上の目安として基本となる可能性が高いです。
ただし、実際には勤務先の加入義務や、個人の働き方、自治体によって若干の違いが出ることがあります。現時点では「130万円未満」であれば配偶者の扶養に入り続けられるケースが大半です。
年収と扶養の関係をわかりやすくまとめた表
| 年収 | 税金の扱い | 社会保険の扱い |
|---|---|---|
| 〜103万円 | 配偶者控除あり | 扶養内（保険料負担なし） |
| 103万円〜106万円 | 配偶者控除なし（配偶者特別控除） | 扶養内（従業員数などで条件あり） |
| 106万円〜130万円 | 配偶者特別控除 | 条件により社会保険加入 |
| 130万円以上 | 控除縮小 | 自身で社会保険に加入 |
「扶養から外れる」ことのメリットとデメリット
「扶養から外れるのが怖い」という声もありますが、一方で将来の年金受給額が増えるなどのメリットもあります。保険料を支払ってでも、自分名義で年金を納めることで将来の自立につながる側面もあるのです。
また、厚生年金に加入すれば国民年金より手厚く、病気やケガの際の保障も広がります。将来のリスクに備えるという観点から考えることも大切です。
まとめ：制度の変化に柔軟に対応できる働き方を
106万円の壁の撤廃は、働き方の自由度を高めるチャンスでもあります。制度が変わっても、ポイントは「自分と家族にとって一番バランスのよい働き方」を見極めることです。
不安がある場合は、勤務先の労務担当や社会保険労務士に相談して、自分の収入見込みと扶養関係を明確にしておきましょう。
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