火災保険や地震保険は一般的に「掛け捨て型」が主流ですが、「貯蓄型」の保険を検討している人も少なくありません。この記事では、貯蓄型火災・地震保険が存在するのか、また代替となり得る保険商品や組み合わせについて詳しく解説します。
火災・地震保険の基本:掛け捨て型が中心
火災保険や地震保険は、火災や自然災害などによって被った損害を補償する目的の損害保険です。原則として掛け捨てであり、一定期間の保障を提供するものの、満期返戻金や貯蓄性はありません。
特に地震保険は政府と民間保険会社が共同で運営しており、制度上、掛け捨てのみが認められています。保険料が安価に設定されている分、返戻金などの貯蓄性を持たせる設計にはなっていません。
「貯蓄型」に近い代替商品とは?
厳密には「貯蓄型火災・地震保険」は存在しませんが、貯蓄機能を持った保険商品と組み合わせることで、補償と資産形成の両立を図ることが可能です。代表的なものとしては以下のような商品があります。
- 終身保険(特約付き):火災・地震リスクへの備えを医療・災害特約で対応
- 外貨建て一時払保険:運用型保険で貯蓄効果を得つつ、必要に応じて解約金を災害時資金に
このように、直接的な「貯蓄型火災保険」はなくても、設計次第で類似の機能を果たすことは可能です。
火災・地震保険+貯蓄商品という選択肢
火災保険や地震保険はリスクヘッジ目的に徹し、貯蓄や資産形成は別の商品で行うのが現実的です。具体的には。
- 火災保険・地震保険:基本的な補償に加入(年払い・長期契約などで割安に)
- 積立NISAやiDeCo:長期的な資産形成用として別途運用
この2つを併用することで、「備え」と「貯める」を明確に分けることができ、保険の目的もブレずに活用できます。
実例:掛け捨て火災保険+終身保険の併用
例えばある家庭では、10年契約の火災保険に加入しつつ、万が一の資金確保を目的に貯蓄型終身保険を併用しています。火災時には火災保険で補償を受け、老後の資産や災害時の臨時資金は終身保険の解約返戻金で対応できる設計です。
このように、2つの商品を目的別に使い分けることで、貯蓄型に近い安心感を得ることが可能になります。
まとめ|「貯蓄型火災・地震保険」はないが工夫でカバーできる
現在の日本では、法制度や保険商品設計上、「貯蓄型火災・地震保険」という保険は存在しません。しかし、損害補償と資産形成を組み合わせた設計は可能です。保険に貯蓄性を求める方は、目的に応じて複数の商品を組み合わせ、自分に合った補償と貯蓄のバランスを取ることが大切です。
コメント