高校卒業後すぐに始めたアルバイトで、意図せず社会保険に加入してしまったというケースは少なくありません。特に、収入を130万円以下に抑えるつもりでいたのに、気づかぬうちに加入してしまった場合、その後の手続きや影響が気になるところです。本記事では、社会保険を抜ける手続きや注意点について、具体的な例を交えて解説します。
なぜ社会保険に加入したのか?
一般的に、週の労働時間が正社員の3/4以上(約30時間以上)である場合、社会保険(健康保険・厚生年金)に加入義務が発生します。さらに、一定の条件を満たすと、短時間でも加入対象になることがあります。
アパレル業界のように繁忙期にはシフトが多く入りやすく、結果的に社会保険の加入基準を満たしてしまうケースは珍しくありません。雇用契約時に説明があったかどうかに関わらず、加入が適法であれば自動的に保険料が引かれます。
アルバイトを退職(飛んだ)後の社会保険の扱い
6月1日の出勤を最後に退職した場合、会社はその日をもって資格喪失手続き(社会保険の脱退)を行う義務があります。被保険者資格喪失日は原則「退職日の翌日」となります。
そのため、会社が正しく処理していれば、あなたは6月2日付で社会保険を喪失しているはずです。ただし、会社側が手続きを怠っている場合もあるため、念のため確認することが重要です。
自分で市役所や役所に行ってすべきこと
社会保険を抜けた後は、健康保険や年金について自分で切り替える必要があります。具体的には以下のいずれかを選び、市区町村役場で手続きします。
- 国民健康保険への加入:収入に応じて保険料が決定されます。
- 親の扶養に入る:条件を満たせば保険料不要で親の健康保険に加入できます。
いずれの場合も、社会保険喪失証明書が必要になります。これは会社に申請して発行してもらいます。もし会社と連絡が取れない場合、日本年金機構や社会保険事務所に相談してください。
送られてきた書類の意味と管理方法
すでに送られてきている「雇用保険被保険者証」「基礎年金番号通知書」「資格情報のお知らせ」はすべて重要書類です。以下のように整理・保管しておきましょう。
- 雇用保険被保険者証:次の就職先に提出が必要になるので保管。
- 基礎年金番号通知書:年金手続き全般に使用。
- 資格情報のお知らせ:健康保険証(マイナ保険証)と紐づけされていることを示す通知。
これらはすぐに使わなくても、捨てずにファイルなどで保存しておくことをおすすめします。
保険料の返金はある?
「そもそも加入するつもりがなかったのだから保険料を返してほしい」と考える方も多いですが、法律上、適法に加入していた期間の保険料は返金されません。ただし、会社側に手続きミスがあった場合は交渉余地があるかもしれません。
また、支払い済みの保険料は将来的に年金に反映されるため、まったく無駄になるわけではありません。
まとめ:社会保険を抜けた後は速やかに手続きしよう
社会保険に意図せず加入してしまった場合でも、退職後に速やかに手続きを行うことで大きなトラブルは防げます。市役所での手続き(国保・国民年金)や会社への喪失証明の請求を忘れずに行いましょう。
今後のアルバイトでは労働時間と保険加入条件をよく確認し、ライフスタイルに合った働き方を心がけることが大切です。
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