国民年金の「納付猶予制度」は、経済的に厳しい若年層や学生などにとって、老後の年金加入期間を確保するための重要な制度です。現在は2030年6月までの時限措置となっていますが、果たして2035年6月までの延長はあるのでしょうか？制度延長の確定時期やこれまでの動向を踏まえて解説します。
納付猶予制度とは？基礎からおさらい
納付猶予制度とは、20歳以上50歳未満の所得が一定以下の人を対象に、国民年金の保険料納付を一時的に猶予する制度です。免除制度とは異なり、将来的に追納することで老齢年金の受給資格に反映されます。
対象者には、本人と配偶者の所得に基づいて審査され、学生納付特例制度と並んで広く利用されています。
これまでの制度延長の経緯
納付猶予制度は2000年台に創設されて以来、複数回の時限延長を経て継続されています。たとえば、2015年時点では2020年6月までとされていましたが、その後2020年4月の通常国会にて2025年6月までの延長が可決。さらに2024年の制度見直しで現行では2030年6月までの延長が決定しています。
このように、延長は通常国会における厚労省提出法案の審議を経て決定されてきました。
次回延長の可能性と確定時期の目安
仮に2035年6月までの延長がされる場合、その決定は2030年の1〜3月頃の国会（通常国会）での法改正審議により確定する可能性が高いです。直近ではおおむね「制度終了予定の1年前前後」に延長措置が可決されてきたため、今後の厚生労働省の予算案や白書などにも注目が集まります。
現時点（2025年）では正式な延長決定はされていませんが、制度の重要性から見て今後の延長の可能性は十分に考えられます。
延長されない場合の影響は？
延長が行われない場合、2030年7月以降に新たに納付猶予を申請することはできなくなります。ただし、制度終了前までに申請済みであれば、猶予が適用された期間については追納も可能です。
若年層にとっては、年金受給資格（10年）や受給額に直結するため、制度が終了すると保険料未納リスクが増し、将来の年金が大きく減額されるおそれも。
今後の情報収集のポイント
納付猶予制度の延長に関する最新情報は、主に以下のような政府・関連機関のサイトで確認できます。
また、制度動向は社会保障審議会や年金部会の議事録からも早期に察知することが可能です。
まとめ：納付猶予制度の延長は2030年の国会動向に注目
納付猶予制度が2035年6月まで延長されるかどうかは、今後の国会審議によって決定されます。その確定時期は2030年前半が目安であり、国の財政や社会保障改革の方向性にも大きく影響されます。
今後も自分自身の年金加入状況や制度の動向を注視し、必要に応じて年金事務所での相談や申請を活用していくことが重要です。
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