企業型DCと社会保険料の関係|掛金で手取りが増えるって本当?

社会保険

企業型DC(企業型確定拠出年金)に加入することで、将来の資産形成ができるだけでなく、現在の社会保険料を節約できる可能性があることをご存知ですか?特に毎年6月までの給与額が、翌年度の保険料に大きく関わるため、戦略的な活用が重要です。

企業型DCとは?手取りにどう影響する?

企業型DCは企業が実施する年金制度で、従業員が任意で追加の掛金を拠出する「マッチング拠出」などの制度を活用できます。この掛金は給与とはみなされないため、標準報酬月額の算定対象外になります。

つまり、同じ月給でも企業型DCの掛金分が給与から控除されるため、その分社会保険料が安くなるのです。結果として、手取り額が増えるというメリットがあります。

標準報酬月額と社会保険料の仕組み

社会保険料は「標準報酬月額」に基づいて決定されます。これは月々の給与や手当などから算出され、報酬額に応じた等級(1~50等級)に当てはめられて計算されます。

標準報酬月額が下がれば、当然ながら健康保険料や厚生年金保険料も下がり、会社と従業員それぞれの負担が軽くなります。企業型DCの掛金が多ければ、給与の課税対象額が下がるため、保険料の計算にも反映されるのです。

社会保険料に反映されるタイミング

毎年4月~6月に支払われた給与の平均を基に標準報酬月額が決まり、その内容が9月分(10月支払い)給与から反映されます。これを「定時決定」といいます。

そのため、6月分までに企業型DCの掛金拠出を始めていれば、その金額が標準報酬月額の計算に影響し、社会保険料を下げられる可能性が高いのです。

マッチング拠出を始めるタイミングと注意点

たとえば、月給36万円で企業型DCに月3万円を拠出した場合、標準報酬月額は実質的に33万円相当として扱われるため、1~2等級下がることもあります。これにより、月々の保険料が数千円下がるケースも珍しくありません。

ただし、6月末時点までに制度利用が開始されていなければ、今年の定時決定には間に合いません。逆にいえば、5月や6月から始めた場合でも間に合うことがあるので、企業の人事・給与部門と速やかに相談することが大切です。

企業によって異なる制度設計

企業型DCには「マッチング拠出を導入していない」「給与からの拠出ではなく全額会社負担」といった例もあるため、制度の設計によって保険料への影響は変わってきます。

まずは就業規則や人事部の案内資料などで、自社の制度内容をしっかり確認しましょう。特に「任意加入が可能か」「給与控除方式か」「拠出上限はどれくらいか」などをチェックしてください。

まとめ:企業型DCは節税と手取り増加の両方に効果あり

企業型DCへの掛金は社会保険料の計算から除外されるため、適切なタイミングで活用すれば、保険料を抑えつつ手取りを増やすことが可能です。特に4~6月の給与に反映されるように早めの準備を進めましょう。

将来の資産形成と現在の節税の両立ができる制度なので、会社の制度内容を確認した上で、積極的に活用することをおすすめします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました