「手取りが少なくても、ある程度の貯金があれば生活できるのか?」という不安は、特に中年期に入ってから多くの方が抱く疑問です。貯金900万円という数字は決して少なくはありませんが、年齢やライフスタイルによって「安心できる額」かどうかは変わってきます。ここでは、45歳・子どもなし夫婦を想定した場合の生活イメージや注意点について解説します。
貯金900万円の位置づけ
金融広報中央委員会の調査によれば、40代後半世帯の平均貯蓄額はおよそ700~1,000万円と言われています。つまり、900万円は平均的な水準にあります。
ただし重要なのは「今後の収支バランス」。一時的にまとまった貯金があっても、収入より支出が多ければ減っていく一方です。逆に、生活費を抑え、堅実に暮らすなら十分な安心材料となり得ます。
月々の生活費をシミュレーション
例えば夫婦二人、子どもなしで暮らす場合の生活費イメージは以下のようになります。
項目 | 月額目安 |
---|---|
住居費(賃貸) | 6〜8万円 |
食費 | 5〜6万円 |
光熱費 | 2〜3万円 |
通信費 | 1〜2万円 |
その他(交際費・娯楽など) | 3〜4万円 |
合計 | 17〜23万円 |
この場合、年間で200〜280万円程度が必要です。もし手取り収入が月15万円程度でも、貯金を取り崩しながら補うことで数十年単位の生活は可能です。
結婚生活・子どもなしの場合のメリット
子どもがいない夫婦は教育費がかからないため、家計の安定度が高まります。教育費は人生で最も大きな支出の一つで、1人あたり1,000万円以上かかることも珍しくありません。その負担がないことで、老後資金や趣味・旅行に資金を回しやすくなります。
ただし、医療費や介護費用など「将来の備え」は欠かせません。長期的には社会保障制度の変化も考慮する必要があります。
注意点:インフレと想定外の支出
物価上昇(インフレ)や病気・事故などの想定外の支出は、貯金を大きく減らす要因となります。そのため、単に「900万円あるから安心」とは言い切れません。
その対策としては、生活費の一部を投資信託やiDeCo・NISAなどで運用し、資産を減らさず育てる意識が大切です。また、保険の活用も検討すべきポイントです。
実際に生活できるかどうかの判断軸
- 年間支出がいくらかを把握する
- 収入でどこまで賄えるか計算する
- 不足分を貯金からどれだけ補えるか確認する
- 老後資金(最低でも2,000万円程度)を逆算して考える
これらを見える化することで、漠然とした不安を具体的なライフプランに落とし込めます。
まとめ:900万円は安心材料だが生活設計がカギ
45歳で貯金900万円があれば、子どもなし夫婦で手取りが少なくても生活は十分可能です。ただし、それは「生活費をコントロールできること」「将来の備えを意識できること」が前提条件となります。結婚生活を安心して送るためには、今の収支バランスと将来の備えを整理して、二人で共有しておくことが大切です。
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