1年のうちに複数のアルバイト先で働いたり、雑所得がある場合、確定申告の準備は少し複雑になります。この記事では、源泉徴収票の扱い方や、年末調整と確定申告の違い、よくある誤解について解説します。
年末調整で必要な書類と確定申告の違い
年末調整は、主に1社で働いている場合に会社が代行して税額を調整する制度です。1年の途中で退職し、次の勤務先に転職した場合、前職の源泉徴収票を新しい勤務先に提出することで、次の勤務先で年末調整してもらえることがあります。
ただし、雑所得が年間20万円を超える場合は、年末調整だけでは完結せず、自分で確定申告をする必要があります。
確定申告で必要な源泉徴収票は何枚?
確定申告を行う際は、その年に勤務したすべての会社から発行された源泉徴収票が必要です。たとえ年末調整が完了していたとしても、確定申告書には全ての収入を記載する義務があるため、前職と現職の両方の源泉徴収票を用意しましょう。
例えば、1月〜6月にA社で働き、7月〜12月にB社で働いた場合、A社とB社からそれぞれ1枚ずつ源泉徴収票を受け取り、それを確定申告時に使用します。
源泉徴収票はコピーでも大丈夫?
確定申告の提出において、電子申告(e-Tax)を使う場合は、源泉徴収票をPDFや写真で保存し、提出時に添付する形になります。紙で提出する場合も、提出用に原本の写しを添付します。写メやコピーでOKですが、内容が明瞭であることが大前提です。
原本はご自身で保管しておきましょう。提出先の税務署から求められる可能性があるためです。
雑所得が20万円を超えた場合の対応
副業やフリーランス収入などが雑所得として20万円を超えると、確定申告の義務が発生します。アルバイトの源泉徴収票とあわせて、雑所得の金額や支払者情報を正確に申告書に記入する必要があります。
このとき、帳簿や取引明細などの証拠資料が求められる場合もあるため、入金履歴や経費明細も合わせて保管しておくと安心です。
実際のケーススタディ
ある例では、学生がA社で半年間アルバイトをし、その後B社に転職。年末調整のためにA社の源泉徴収票をB社に提出しました。しかし、その後副業のイラスト収入が年間25万円あったため、確定申告が必要に。
この方は、B社に提出したA社の源泉徴収票を写真で控えていたため、それを活用してe-Taxで申告を完了しました。このように、控えの確保が非常に重要です。
まとめ
複数の勤務先がある場合や雑所得が20万円を超える場合、確定申告には全ての源泉徴収票が必要です。B社に渡すためにA社の源泉徴収票を提出しても、必ずコピーや写真で手元に控えを残しておきましょう。また、電子申告ではデジタルデータの提出が可能なので、スキャンやスマホの写真でも十分対応できます。
申告の準備は年が明けてからではなく、年末時点での情報整理と資料保管を習慣化することが成功の鍵です。
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