60歳から年金を受け取る前に知っておきたい5つの重要ポイント|パート勤務・扶養・社会保険の影響も徹底解説

年金

60歳を迎えるタイミングで年金の受給を検討する方は少なくありません。特にパート勤務で年収が130万円未満の方の場合、年金と仕事のバランスや扶養の扱い、社会保険の変化など、検討すべきポイントがいくつかあります。本記事では、早期受給のメリット・デメリット、社会保険への影響、扶養の考え方などを詳しく解説します。

60歳から年金を受け取ることの基本

年金の繰上げ受給は、原則として60歳から可能です。ただし、本来の支給開始年齢(現在は65歳)よりも早く受け取ることになるため、受給額は月ごとに減額されます。

2022年4月からは、60歳から受給を開始した場合の減額率が最大30%(0.4%×月数)となっています。一度繰上げを選択すると、その後ずっと減額された額が支給される点に注意が必要です。

年金+パート収入で変わる「扶養」の取り扱い

ご主人がサラリーマンであれば、現在は「扶養内パート」としてご主人の社会保険に加入していない可能性が高いでしょう。しかし、60歳から年金を受給し始めると、その年金も「所得」としてカウントされるため、扶養判定に影響が出る場合があります。

具体的には、年間収入(給与収入+年金等)が130万円を超えると、ご主人の扶養から外れ、自分で国民健康保険と国民年金に加入する必要が出てくる可能性があります。

社会保険の加入義務と130万円の壁

扶養に留まるためには、年間収入130万円未満が目安となります(ただし地域や保険組合により異なることがあります)。年金受給によってこの基準を超える場合、自動的に健康保険の扶養から外れるケースもあります。

これにより健康保険料・国民年金保険料を自身で支払う必要が生じ、結果的に手取りが減少する可能性があるため、受給タイミングと収入計画の見直しが重要です。

長生きしない前提の繰上げは本当にお得?

「家系的に長生きしないから」という理由で早期受給を選ぶ方もいます。確かに、70代前半で亡くなった場合は、繰上げ受給のほうが総受給額は多くなります。

ただし、現実には健康寿命も延びており、85歳〜90歳まで生きる方も増えています。60歳で繰上げた場合と65歳で満額受給した場合の損益分岐点は77〜78歳前後とされており、それ以降生きると受給額の差が開きます。

自分に合った年金受給戦略を立てるには

自身の健康状態、ライフスタイル、経済状況を総合的に見て、年金受給開始年齢を決めることが大切です。可能であれば、年金事務所などで「年金見込額試算」や「老齢年金の受給シミュレーション」を行ってもらうと具体的な金額がわかりやすくなります。

また、社会保険料や扶養条件を踏まえ、年間収入がいくらまでなら損をしないか、年金とパート収入の合計がどうなるのかを事前に確認しておくことで、安心して働き続けることができます。

まとめ:早期受給は慎重に判断を

60歳からの年金受給には確かにメリットがありますが、受給額の減少や社会保険への影響など、見逃せない要素も多く存在します。特にパートで働いている方は「130万円の壁」や「扶養から外れるリスク」に注意が必要です。

総合的に判断するには、年金事務所やファイナンシャルプランナーへの相談も有効です。しっかりと準備し、納得できる老後の働き方と収入の形を整えていきましょう。

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