40代共働き夫婦で、子どもが大学・高校に在学中という家庭では、生命保険の保障内容を見直す時期にさしかかっています。今後の教育費や生活費、万一に備えた資金確保を含め、適切な保険設計を考えることが重要です。
まずはライフプランの確認を
生命保険を検討する前に行うべきは、家族のライフプランを把握することです。特に高校・大学に通うお子さんがいる家庭では、今後3〜5年の教育費支出が集中するため、その時期を乗り切る保障が必要です。
文部科学省の調査によると、私立大学の学費は年間約150万円、高校も公立・私立で差はありますが合計数十万円が必要です。これに加え、仕送りや生活費、部活動や遠征費なども見込まれるため、少なくとも300〜500万円以上の保障が一時的に必要な場合もあります。
夫婦で必要保障額をどう算出するか
生命保険の加入金額を考える際は、「万一の場合に、家族がどれくらいの生活費を必要とするか」を基準にします。一般的に以下のような計算式が参考になります。
- 年間生活費 × 必要年数 - 公的遺族年金 - 貯蓄 = 必要保障額
たとえば年間300万円の生活費がかかる場合、10年分で3,000万円。これに遺族年金(例:年間150万円)×10年=1,500万円、現在の貯蓄200万円を差し引けば、夫婦それぞれに1,000万〜1,300万円程度の保険が必要という試算になります。
終身保険と定期保険の使い分け
現在加入中の終身型保険は、貯蓄機能を持ちつつも保険金額が低めです。お子さんの教育費など一時的に大きな保障が必要な時期には、掛け捨て型の定期保険を追加するのが合理的です。
例えば、子どもが大学を卒業するまでの5〜7年限定で定期保険1,000万円を契約すれば、必要な時期にだけ保障を強化でき、保険料も月々数千円と抑えられます。
保険だけでなく家計の見直しも大切
保障を手厚くすることも大切ですが、それ以上に重要なのが支出管理です。部活動や遠征費、仕送りといった出費を正確に把握し、ライフイベントごとの支出見込み表を作成することをおすすめします。
また、医療保険や就業不能保険など、収入を補う保険も併せて検討することで、生活全体の安定性を高めることができます。
実例:40代共働き家庭の保険設計例
夫:年収600万円/妻:年収350万円/子:大学3年・高校3年/貯蓄200万円
- 夫:定期保険(死亡保障)1,500万円/終身保険300万円(既契約)
- 妻:定期保険1,000万円/終身保険100万円(既契約)
- 夫婦ともに医療保険・がん保険を追加
このように、期間限定で保障を厚くしながら、老後には終身保険が残る設計にすると安心です。
まとめ:今必要なのは「一時的な保障の強化」
教育費・生活費がかかる今の時期は、保険を使って一時的に保障を強化するのが賢い選択です。終身保険はそのまま活かしつつ、定期保険で不足分をカバーしましょう。
保険は「安心料」ではなく、「具体的な必要に基づいた備え」であるべきです。ライフプランに合わせて柔軟に見直し、家族を守る仕組みを整えておきましょう。
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