会社を退職し、次の職場に入社するまでに少しだけ期間が空く場合、「その間の保険証はどうすればいいのか?」「医療機関には行けるのか?」と不安に思う方も少なくありません。特に歯科治療などの予約がある場合はなおさらです。この記事では、転職間の短期間における健康保険の扱いや、受診時の対処方法についてわかりやすく解説します。
退職後に社会保険証は無効になる?
会社を退職すると、基本的には退職日の翌日から前職の健康保険の資格を失います。したがって、それまで使っていた保険証は会社に返却しなければなりません。
この資格喪失日は重要で、たとえば5月10日に退職した場合、5月11日以降は保険証が使えなくなります。仮に提示しても保険は適用されず、全額自己負担になる可能性があるため注意が必要です。
次の職場で保険証が届くまでの“つなぎ”対策
次の勤務先で保険に加入するのは原則として入社日からですが、実際に保険証が手元に届くまでは1〜2週間かかることもあります。その間は「資格取得証明書」や「被保険者資格証明書」を会社に発行してもらうことで、医療機関での保険診療が可能です。
これらの証明書は即日発行できる場合が多く、PDFでの送付も対応してくれる会社も増えているため、入社手続きの際に確認しておくと安心です。
空白期間中に歯科を受診したい場合の対応策
退職から入社までの間に歯科に通う必要がある場合、いくつかの選択肢があります。1つ目は、一時的に全額自己負担で支払い、後日保険証が届いた際に領収書をもとに払い戻し(療養費申請)を行う方法です。
2つ目は、任意継続被保険者制度を利用して前職の健康保険を最大2年間継続すること。これにより、退職後も保険証を保持したまま医療機関を利用できます。ただし、申請期限は退職後20日以内である点に注意が必要です。
1週間の無保険期間を避けるには?
1週間だけとはいえ、その間に体調を崩す可能性もゼロではありません。市区町村の役所で国民健康保険に一時的に加入する方法もあります。加入から脱退まで短期間での対応となりますが、保険料も日割り計算されるため大きな負担にはなりにくいです。
ただし、入社後には国保から脱退し、新たな勤務先の保険に切り替える手続きが必要となるため、手続きの手間は少々かかります。
実例:退職から1週間で転職したAさんの場合
Aさんは5月末に前職を退職し、6月初旬に新しい職場へ入社する予定でした。ちょうどその間に歯科治療の予約が入っており、事前に新しい職場に「資格取得証明書」を発行してもらい、無事に保険診療として受診することができました。
一方、資格証明書の準備が間に合わなかったBさんは、歯科で一時的に全額自己負担をし、後日保険証と領収書を持参して市区町村窓口で療養費の申請を行いました。2か月後に7割分が返金されました。
まとめ:短期間でも保険対策を怠らないことが大切
たとえ1週間の空白期間であっても、健康保険の対策はしっかり行っておくことが重要です。保険証の提示ができないと10割負担になるリスクがあるため、あらかじめ新しい職場に証明書の発行を依頼したり、必要に応じて国保加入を検討したりすることをおすすめします。
歯科受診などの予定がある場合は、治療の内容によっては高額になることもあるため、確実に保険適用できるよう準備を整えておきましょう。
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