出産手当金は産前産後の一定期間、給与の代わりに健康保険から支給される大切な制度です。しかし、「会社へ書類を提出したのに、いつ保険協会に届くのか分からない」「締め日が関係するのか不安」といった声も少なくありません。この記事では、会社に提出した出産手当金の書類がいつ保険協会に提出されるのか、そのタイミングや注意点を解説します。
出産手当金とは?まず制度の基本を確認
出産手当金は、健康保険の被保険者が出産のために仕事を休んだ際、給与が支払われない期間について支給される給付金です。対象期間は、産前42日(多胎妊娠の場合は98日)から産後56日までです。
支給額は、日額標準報酬の約2/3となっており、通常は会社を通じて保険協会(協会けんぽなど)に申請されます。
会社提出から保険協会提出までの一般的な流れ
産後に出産手当金の書類を提出した場合、以下の流れで進むのが一般的です。
- ①本人が出産後、医師記入済の申請書を会社に提出
- ②会社が必要事項(賃金支払い状況など)を記入
- ③会社が健康保険組合や協会けんぽに提出
このとき、会社の給与締め日(月末締めなど)が処理の目安になることがあります。そのため、「月末締め」の企業では、月末を待ってから保険協会に提出するケースが多いです。
なぜ給与締め日が関係するのか?
出産手当金の支給要件の1つに、「給与の支払いの有無」があります。会社側がその期間に給与が出ていないことを確認してから書類を仕上げる必要があるため、月末締めの場合は締め日以降に書類を完成させることになります。
特に、出産日と産休終了日が月をまたぐ場合、書類作成時にその月の給与支払い状況を確定する必要があり、提出が翌月にずれ込むこともあります。
提出が遅れると支給も遅れるので注意
保険協会に書類が届いてから審査・支給までには、おおむね1~2か月ほどかかります。そのため、会社側での処理が遅れると、手当金の支給時期も大幅に遅れてしまうことがあります。
もし急ぎで支給してもらいたい場合は、会社に事情を伝え、給与締め日を待たずに処理できるか確認してみると良いでしょう。また、健康保険協会の窓口に問い合わせれば、書類到着後の審査状況も教えてもらえます。
実例:産休明けに提出した方の体験談
ある30代女性は、産休終了後すぐに会社へ出産手当金の申請書を提出しました。しかし、会社の給与締めが月末だったため、「締め処理完了後に送る」と言われ、実際に保険協会に送られたのは翌月10日でした。
その結果、手当金が口座に振り込まれたのはさらにその1か月後で、申請から約2か月かかったといいます。あらかじめスケジュールを知っていれば、家計の準備もできたとのことでした。
まとめ:締め日を意識しつつ、早めの確認を
出産手当金の申請は、書類の提出後すぐに支給されるわけではありません。会社の給与締め日や処理スケジュールによって、保険協会への提出が遅れることがあります。
不明点がある場合は、会社の人事・労務担当や保険協会に早めに確認しておくことが、スムーズな受給につながります。特に産後の生活費に影響するため、事前の情報収集が大切です。
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