軽微な接触事故で、相手から「保険は使わなくていい」と言われた場合、対応に戸惑う方は少なくありません。とくに保険会社が介入しないケースでは、当事者同士でのやり取りが必要になり、トラブルを避けるためにも正確な手順を把握しておくことが重要です。
保険を使わない場合の基本的な流れ
自動車保険を使用しない場合、損害の賠償は原則として加害者本人が行う必要があります。物損事故に該当する軽い接触事故などでは、保険を使うと翌年の保険料が上がるため、当事者同士での直接対応が選ばれることがあります。
この際、保険会社は「手続きの取り下げ」を行うことで一旦介入を終了し、「今後は当事者同士で話し合ってください」という立場になります。
保険会社の立ち位置と対応可能な範囲
保険会社は、物損手続きの取り下げが完了した場合、一般的に「示談交渉などには関与しない」という姿勢になります。ただし、支払い金額の目安や書類の整備についてのアドバイスはしてくれることがあります。
たとえば「塗料スプレー代の領収書を相手が持っている場合、それを受け取って直接支払ってください」といった形での対応が想定されます。保険会社が曖昧な返答をしている場合は、具体的に「支払い方法について再確認したい」と再度連絡するのが良いでしょう。
相手への支払い方法と注意点
相手に直接支払う場合、現金の手渡しよりも記録が残る方法を選びましょう。たとえば、銀行振込で支払った上で、相手から領収書(または支払確認の書面)をもらうことが望ましいです。
また、領収書が未着の場合には、「領収書を確認次第、指定の方法でお支払いします」と丁寧に伝え、やり取りの記録をメールやLINEなどで残しておくと安心です。
保険会社に再確認すべき内容
不安が残る場合には、以下のように保険会社に問い合わせてみてください。
- 「物損手続きを取り下げたが、支払いの流れについて再確認したい」
- 「相手が領収書を出すとの話があるが、それを受け取った後にどのように支払えばよいか」
- 「相手への連絡や書面の取り交わしは保険会社として支援可能か」
これにより、保険会社が再びアドバイス程度のサポートをしてくれる可能性もあります。
トラブルを避けるためにすべきこと
金銭が絡む話では誤解を避けるため、文書やメッセージの記録が重要です。また、双方が納得している証として「念書」や「確認書」を作成しておくと、後日のトラブルを防ぐ手段となります。
例:「本件は相手方の自費にて塗料代○○円を支払うことで合意し、今後本件に関して一切の請求を行わないことを確認します」などの簡易書面で構いません。
まとめ:安心して対応を進めるためのポイント
自動車事故で保険を使わずに支払う場合でも、正しい手順と記録の残し方さえ押さえておけば、スムーズに解決可能です。疑問点は保険会社に遠慮なく再確認し、当事者同士でも書面を交わすなどして信頼関係を維持しましょう。
保険を使わない対応こそ、丁寧なやり取りが求められます。安心して進めるための準備をしっかり整えましょう。
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