故人の銀行口座から毎月同じ日に一定額が引き落とされていると気づいたら、驚きと戸惑いを感じるのは当然です。特に、半年前に亡くなられたにもかかわらず、27日にペイペイカードへの支払いが続いている場合、遺族としてどのように対応すべきか迷うことでしょう。この記事では、故人の口座からの引き落としが続く原因と対処方法について解説します。
約定振替とは?自動引き落としの仕組み
「約定振替」とは、カード会社が指定した日に登録口座から利用額を自動的に引き落とす仕組みです。ペイペイカードなどのクレジットカード会社では、毎月の決済額を口座から自動で回収するため、この方法が一般的に使われています。
この自動引き落としの登録は、カード契約時に行われ、解除しない限り継続されます。つまり、解約や名義変更、死亡届の提出がなされない限り、引き落とし処理は継続されるということになります。
なぜ故人の引き落としが止まらないのか?
主な理由は以下の通りです。
- 銀行が死亡の事実をまだ把握していない
- カード会社に死亡届が提出されていない
- カード契約が解約されていない
たとえば、ペイペイカードに「契約者が死亡した」と正式に伝わっていなければ、カード利用停止や口座引き落としの中止は行われません。また、銀行も死亡届が提出されていない限り、通常どおり引き落としに応じてしまいます。
このまま放置するとどうなる?
口座に残高がある限り引き落としは継続されますが、放置してしまうと、次のような問題が発生する可能性があります。
- 不要な請求の支払いが続く
- 遺産相続の際にトラブルとなる
- 他の公共料金やローン契約も同様の状態になる可能性
また、故人が生前にカードを使っていたとしても、その後の利用がないのであれば、料金が発生している場合は不正利用の可能性もゼロではありません。
正しい対応手順:まずはカード会社と銀行へ連絡を
以下の手順で対応することが推奨されます。
- ペイペイカードのカスタマーサポートに連絡し、契約者の死亡と引き落としの件を伝える。
- 故人の死亡証明書や戸籍謄本のコピーなどの提出が求められることがあります。
- 銀行にも死亡届を提出し、口座を凍結して引き落としができないように手続きする。
- 必要に応じて、法的手続きを通じて払い戻しや訂正を申請する。
また、ペイペイカードのウェブサイトや利用明細から、実際に何の請求が発生しているのかを確認することも重要です。請求が続いている理由が明らかになるかもしれません。
遺族として知っておきたい費用負担の範囲
原則として、故人の死後に発生した支払い義務は遺族にはありません。ただし、遺産相続をした場合、その財産の範囲内で故人の債務を引き継ぐことになります。
そのため、支払いをする前に「相続放棄」を検討することも一つの選択肢です。特に不明な請求や継続中の契約がある場合は、司法書士や弁護士への相談も視野に入れましょう。
まとめ:故人の引き落としに気づいたらすぐ行動を
故人の口座からの引き落としが続くのは、手続きが完了していないことが原因である可能性が高いです。ペイペイカードや銀行に早急に連絡し、必要書類をそろえて手続きを進めましょう。無用な支出を防ぐためにも、発見したら速やかな対応が求められます。
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