国民健康保険の滞納があっても大丈夫？社会保険への切り替えと給料への影響をわかりやすく解説

20歳を過ぎて扶養から外れると、原則として自身で国民健康保険に加入する義務が発生します。知らずに未納となってしまい、不安を抱えている方も少なくありません。この記事では、国民健康保険の滞納がある場合の対処法や、社会保険への切り替え時の注意点、そして就職後の給与への影響についてわかりやすく解説します。

まずは冷静に滞納状況を確認しよう

国民健康保険の滞納があっても、いきなり差し押さえや強制徴収が行われるわけではありません。まずは、お住まいの市区町村の国保担当窓口へ連絡し、滞納額や期間を確認しましょう。

たとえば、3年分の保険料が滞納されている場合、延滞金も含めた額が膨らんでいることがあります。ただし、分割納付や減免申請ができるケースもあるため、一人で抱え込まずに相談するのが大切です。

就職して勤務先で社会保険に加入すれば、それ以降の保険料は給与天引きで支払われます。この場合、国民健康保険の滞納があっても社会保険への加入に影響はありません。

社会保険に加入すれば、国保の滞納が原因で勤務先に連絡が行くことも、給料が差し押さえられることも基本的にありません。ただし、滞納額そのものが免除されるわけではないため、市区町村からは引き続き支払いを求められます。

原則として、国民健康保険の滞納が勤務先に知られることはありません。社会保険の加入は会社を通じて行われるため、過去の滞納状況は会社側には通知されません。

ただし、極端なケース（長期間の高額滞納や行政処分が進んでいる場合など）では、自治体からの強制執行が行われることもあります。その際でも、最初に取られる手続きは本人への催告や分納交渉であり、いきなり勤務先へは行きません。

最善策は、市区町村の窓口にて分割納付の相談を行うことです。収入や生活状況に応じて月額5,000円～10,000円程度の分割払いが認められる場合も多くあります。

また、災害や失業、精神的な事情などによって支払いが困難な場合は、減免制度や猶予制度を活用できる場合があります。

社会保険に加入することで、健康保険や厚生年金に加え、労災保険や雇用保険にも自動的に加入できます。また、会社と折半で保険料を支払うため、個人負担が軽減されるのも大きなメリットです。

たとえば、月収18万円の正社員として働く場合、健康保険料や年金保険料の個人負担はおおよそ2～3万円ほどで済みます。これにより、将来の年金受給額も増える可能性があります。

国民健康保険の滞納は不安な問題ですが、就職して社会保険へ切り替えることで新しいスタートを切ることができます。過去の滞納についても、市区町村に相談することで無理のない解決策が見つかることがほとんどです。

人生には予期せぬトラブルがつきものですが、正しい知識を持つことで不安は和らぎます。まずは一歩踏み出して、相談から始めてみましょう。