【雇用保険と育児休業】産前産後休暇・育休中は被保険者期間に含まれるの?制度の基本と注意点を解説

社会保険

妊娠・出産・育児を迎える方にとって、「雇用保険の被保険者期間」がどのようにカウントされるのかは大切なポイントです。特に、育児休業給付金を受ける際の条件や、退職後の失業給付に影響を与えることもあるため、産前産後休暇や育児休業中の扱いについて正しく理解しておくことが重要です。

雇用保険の被保険者期間とは

雇用保険の被保険者期間とは、被保険者として雇用保険に加入していた月数のことです。これは主に、失業給付や育児休業給付などを受け取る際の要件として使われます。

たとえば、失業給付を受けるには原則として「離職前の2年間に被保険者期間が12か月以上」必要です。また、育児休業給付を受ける場合も「育休開始前の2年間に11日以上働いた月が12か月以上」などの条件があります。

産前産後休業は被保険者期間に含まれる?

産前産後休業中も、原則として雇用保険の被保険者資格は継続します。ただし、給与が支払われていない場合、その期間中は「賃金支払基礎日数」がゼロとなるため、被保険者期間としてカウントされないことがあります。

具体的には、「1か月のうちに11日以上勤務して賃金が支払われている」ことが、その月を1か月とカウントするための基準となります。したがって、産休中にまったく勤務していない場合は、その月は原則カウントされません。

育児休業中の取り扱いと給付金要件

育児休業中も同様に、雇用保険の被保険者資格は継続されます。ただし、ここでも「賃金支払基礎日数」が重要なポイントとなり、休業中に賃金の支払いがなければ、その月は被保険者期間のカウント対象外となります。

しかし、育児休業給付金の支給要件には、「育休開始前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上」という条件があり、育休中の期間はこのカウントには含まれません。

実例:産休・育休を経て育児休業給付金を受け取る場合

【ケース】
会社員のAさんは、産前6週間+産後8週間の産休を取得し、その後1年間の育児休業を取得しました。産休・育休中は給与支給なしでした。

この場合、産休・育休中は被保険者資格は継続していましたが、賃金支払基礎日数がゼロのため、被保険者期間にはカウントされません。育児休業給付金を受け取るためには、産休・育休前の2年間に必要な条件(月11日以上の勤務が12か月以上)を満たしていることが必要です。

被保険者期間の確認方法と注意点

自分の被保険者期間は、会社の給与明細や「雇用保険被保険者証」、またはハローワークで確認することができます。産休・育休に入る前に、自身の加入期間と勤務実績を確認しておくと安心です。

また、雇用保険の加入条件や給付要件は法改正により変更されることもあります。特にパートタイマーや短時間労働者の場合は条件が細かく分かれているため、最新の情報を厚生労働省の公式サイトなどで確認するようにしましょう。

まとめ:育児期の雇用保険制度は「資格は継続、期間カウントは要確認」

産前産後休暇や育児休業中は、雇用保険の被保険者資格は継続しますが、被保険者「期間」としてカウントされるかどうかは、その期間中の賃金支払の有無がカギになります。育児休業給付や失業給付を視野に入れている方は、勤務状況や過去の就業実績をしっかり確認しておきましょう。

正しい知識を持つことで、将来の備えや安心にもつながります。出産・育児という大きなライフイベントに向けて、雇用保険の仕組みを賢く活用しましょう。

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