国民年金と厚生年金を二重で支払ってしまったときの対処法|確定申告は必要?

社会保険

入社前に自分で国民年金を支払い、入社後に給与明細を見ると厚生年金が控除されていた——そんなケースに遭遇した方も多いのではないでしょうか。今回は、国民年金と厚生年金を二重に支払ってしまった場合の対処法について詳しく解説します。

厚生年金に加入すると国民年金は原則不要

会社に就職し、社会保険に加入すると自動的に厚生年金の被保険者となります。この場合、個人で支払っていた国民年金は不要になります。厚生年金には国民年金(基礎年金)部分も含まれているため、二重に加入する必要はありません。

入社後も自分で気づかずに国民年金保険料を支払い続けた場合、重複している期間分は原則として返金の対象になります。

確定申告ではなく、年金事務所で還付手続きが必要

このようなケースでは、確定申告をしても年金保険料の二重払いの返金を受けることはできません。返金の手続きは、お住まいを管轄する日本年金機構の「年金事務所」で行います。

手続きには、以下のような書類が必要です。

  • 年金手帳または基礎年金番号通知書
  • 厚生年金に加入していることがわかる書類(健康保険証など)
  • 振込先口座情報
  • 重複期間中の国民年金納付書控えなど

iDeCoや税控除とは異なるので注意

年金の控除といえば「iDeCo(個人型確定拠出年金)」などで確定申告を通じて節税する仕組みを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、今回のような「過誤納(ごのう)」の返還はまったく別の仕組みです。

税金の還付ではなく、社会保険料の返金処理という扱いになりますので、税務署ではなく年金事務所が窓口になります。

手続きの流れと返金までの期間

重複納付が確認されると、概ね2~3ヶ月以内に返金が行われるのが一般的です。ただし、時期や混雑状況によっては遅れることもあります。

過去にさかのぼって最大2年分程度の返還が認められるケースもありますので、思い当たる方は早めに行動しましょう。

よくある実例:入社タイミングと国民年金納付のズレ

たとえば4月に大学を卒業し、5月に会社へ入社した人が、4月分の国民年金を支払っていた場合、5月以降の厚生年金と重複することがあります。この1ヶ月分だけでも、還付申請が可能です。

また、就職してからもしばらく国民年金を口座振替で払い続けていた場合、数ヶ月にわたって重複することがあるため、納付記録をチェックすることが重要です。

まとめ:まずは日本年金機構に相談を

国民年金と厚生年金を二重で支払っていたことが発覚しても、慌てる必要はありません。確定申告では対応できないため、年金事務所で過誤納の還付手続きを行うのが正しい対応です。

納付証明書や給与明細など、支払いの記録を手元に準備したうえで、早めに日本年金機構へ問い合わせてみましょう。

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