病気やケガで長期の休職を余儀なくされたとき、頼りになるのが「傷病手当金」。しかし、具体的にいくらもらえるのか、また土日も支給対象になるのかは多くの人にとって分かりづらいポイントです。この記事では、傷病手当金の計算方法について具体的な例を用いながら、わかりやすく解説します。
傷病手当金とは?支給される条件と金額の概要
傷病手当金は、健康保険に加入している人が業務外の病気やケガで働けなくなったときに、生活を補助する目的で支給される公的給付です。主な支給条件は次のとおりです。
- 連続する3日間の待機期間後も働けない状態が続く
- 給与の支給がない、または減少している
- 医師による労務不能の証明がある
支給額は「標準報酬日額 × 2/3」が基本となり、会社が定める休業日(土日祝)も含めて、実際に労務に就けなかった日数分が支給対象となります。
「支給日数」の考え方:休業日を含むか?
結論から言うと、土日や祝日であっても、労務不能が継続している限りは「支給対象日」としてカウントされます。つまり、カレンダー上の休みであっても働けない状態が続いていれば、その日数分も支給されるのです。
たとえば、1ヶ月(30日間)休んだ場合、その30日すべてが支給対象です。したがって、冒頭の質問で提示された2つの選択肢では、①が正解となります。
実例で確認:標準報酬月額30万円で1ヶ月休職した場合
【前提条件】
- 標準報酬月額:30万円
- 支給開始日以降30日間休職(労務不能)
- 休業中の給与支給なし
この場合の計算式は以下の通り。
30万円 ÷ 30日 × 2/3 × 30日 = 200,000円
支給対象はカレンダー上の30日間すべてとなるため、土日を除外する必要はありません。
誤解しやすいポイント:会社の休日=支給対象外ではない
「週休二日制だから22日分しか出ないのでは?」と思われがちですが、傷病手当金の考え方はあくまで「労務不能日数」であり、会社の勤務日とは一致しません。カレンダー上の休みであっても、継続して病気で休んでいれば、その日数すべてが支給の対象となります。
待機期間の3日間には注意が必要
支給開始の条件として設けられている「連続3日間の待機期間」もまた、支給に含まれない日数ですが、ここにも土日は含まれます。たとえば、金・土・日と休めば、月曜日から支給が開始される可能性があります。
まとめ:支給日数の考え方を正しく理解して備える
傷病手当金の支給額を正しく理解するためには、「労務不能の日数=支給日数」であることを押さえることが大切です。休業がカレンダー全体に及ぶ場合、土日も支給対象に含まれるため、計算から除外しないように注意しましょう。
正確な支給額を把握することで、長期休職時の不安を軽減し、適切な生活設計を行う助けになります。自分が加入している健康保険組合のルールも事前に確認し、いざというときの備えを万全に整えておきましょう。
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