国民健康保険と社会保険の加入期間が重なっていた場合、「どちらかを支払わないといけないのか?」と疑問に感じる方も少なくありません。特に、社会保険の扶養に入っていて保険料を自分で支払っていない場合、国保の支払い義務があるのか迷うケースがあります。本記事では、重複期間の保険料納付義務と解決方法について詳しく解説します。
国民健康保険と社会保険は併用できるのか?
基本的に、国民健康保険(市区町村が運営)と社会保険(会社勤務による健康保険など)は、どちらか一方にしか加入できません。国保に加入していた人が就職や結婚などで社会保険に切り替わった場合、国保は速やかに脱退手続きを行う必要があります。
しかし、何らかの理由で国保の脱退手続きをしなかった場合、国保と社会保険の「二重加入」となり、国保側から納付通知が届くことになります。
社会保険の扶養に入っていた場合の保険料支払い義務
社会保険の扶養に入っていた人は、自身で保険料を支払っていないため「国保との二重払いではない」と考えるかもしれません。しかし、市区町村では、正式な国保脱退手続きがない限り、在籍状態が続いていたとみなされ、保険料の納付義務が発生します。
つまり、たとえ扶養で保険料を自分で支払っていなかったとしても、「国保を脱退していなければ納付が必要」ということになります。
重複加入が発覚した場合の対応方法
二重加入に気づいた場合、次のようなステップで対応しましょう。
- 社会保険の加入証明書(健康保険証のコピーや被扶養者認定通知など)を用意
- 市役所の国民健康保険窓口に持参し、脱退手続きを遡って申請
- 必要に応じて社会保険加入日が分かる「被保険者資格取得証明書」も提出
この手続きを行えば、国保の資格を社会保険加入日まで遡って削除し、重複期間の国保保険料を免除・還付してもらえる可能性があります。
手続きが遅れた場合でも還付される?
実際には、社会保険の加入証明があれば、1〜2年程度までであれば遡及手続きに応じてくれる市町村が多いです。ただし、還付対象期間や手続きの可否は自治体ごとに異なるため、早めの対応が重要です。
また、一度納付してしまった国保保険料についても、重複が確認できれば還付されるケースがあります。
自分が重複していたか不明な場合の確認方法
保険の重複があったか不明な場合は、次の方法で確認できます。
- 国民健康保険の納付書や資格証明書の記載期間を見る
- 健康保険証の発行日や被扶養者認定日をチェック
- 市役所に問い合わせて、在籍期間の有無を確認
また、会社の総務担当や社会保険事務担当に被扶養者の登録日を問い合わせることでも判断が可能です。
まとめ:重複加入を放置せず、速やかな手続きを
国民健康保険と社会保険の重複加入は、気づかずに発生するケースが多く、対応が遅れると不要な保険料負担が生じることもあります。社会保険の扶養に入っていた場合でも、正式な国保脱退手続きがなければ、納付義務が発生します。
しかし、適切な書類とともに市役所に申し出れば、過去に遡って脱退処理が認められ、保険料の免除や還付が受けられることもあります。心当たりのある方は、早めに確認・対応するようにしましょう。
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