算定基礎届は紙提出できない?GビズIDと様式未着トラブルの対処法

年金

毎年6月頃に実施される「算定基礎届」は、事業主にとって重要な社会保険の手続きの一つです。最近ではGビズIDを利用した電子申請が推奨されていますが、事業所の事情により紙での提出を希望する方も少なくありません。今回は、算定基礎届の用紙が届かない場合の原因や対処法、紙での提出は本当にできないのかなどを詳しく解説します。

算定基礎届とは?いつ・誰が・なぜ提出するのか

算定基礎届は、毎年7月10日までに提出が義務付けられている書類で、社員の報酬月額に基づいて社会保険料を決定するための重要な手続きです。

対象は、5月31日時点で社会保険に加入している従業員を雇用している全ての事業所で、提出方法は電子申請または紙提出の2つがあります。

GビズIDの導入が進む中での混乱

2020年代以降、厚生労働省および日本年金機構はGビズIDによるオンライン申請を推奨しています。特に一定の規模以上の法人については原則電子申請となっており、紙様式は送付されないケースもあります。

ただし、GビズIDを「取得しない」と明確に回答した事業所には、引き続き紙での様式が送付される対象とされています。それでも届かない場合には、別のトラブルが想定されます。

紙の算定基礎届が届かない原因と対処方法

以下のような原因が考えられます。

  • 郵送の遅延・紛失:例年6月上旬〜中旬に発送されるため、時期的に多少の遅れは考えられます。
  • 年金事務所側の登録情報ミス:GビズIDアンケートで「取得予定なし」と回答していても、電子申請予定と誤認されるケースがあります。
  • 事業所コードの移転・変更:住所移転や事業主変更後に届かないケースも。

このような場合には、管轄の年金事務所に直接連絡し、紙での申請意思があることを伝えて再送依頼を行うのが最も確実です。

紙提出は完全廃止されたのか?

結論から言えば、2025年時点では完全な電子申請義務化には至っていません。特に小規模事業所(従業員数が少ない、もしくはGビズID未取得)においては、依然として紙による申請が認められています。

ただし、政府は今後数年間で段階的に電子申請を義務化していく方向であるため、将来的にはGビズID取得を検討しておくことが推奨されます。

実例:高齢経営者の意向による紙申請希望のケース

たとえば、ある法人では80代の専務が「紙での申請しか認めない」と強く主張し、GビズIDは取得しない方針を取りました。その旨をアンケートで報告したにも関わらず、紙の算定基礎届が届かない事態に。

結果的に年金事務所へ直接連絡し、再送依頼をかけたところ、3日後に用紙が到着しました。このように、積極的に問い合わせをすることで紙での提出は可能となるケースが大半です。

まとめ:算定基礎届が届かないときは即連絡を

GビズIDの導入により電子化が進んでいますが、2025年現在でも紙による算定基礎届は容認されています。紙様式が届かない場合には、管轄の年金事務所に確認し、再送手続きを行うことが重要です。

企業の事情や体制に応じた柔軟な対応が可能ですので、焦らず確認と相談を行いましょう。いずれにせよ、7月10日の提出期限には余裕を持って対応できるように備えておくことが大切です。

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